第40回 午前 問27
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
消化器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1たんぱく漏出性胃腸症では、高アルブミン血症がみられる。
- 2クローン病の発症は、高齢者に多い。
- 3潰瘍性大腸炎は、大腸がんのリスク因子である。
- 4過敏性腸症候群は、器質的病変がある。
- 5麻痺性イレウスでは、腸蠕動音が亢進する。
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✓ これが正解3潰瘍性大腸炎は、大腸がんのリスク因子である。
解説
潰瘍性大腸炎は、長く続くと大腸がんのリスクが高まります。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症と潰瘍が連続して起こる炎症性腸疾患です。直腸から口側へ広がるのが特徴で、下痢や粘血便がみられます。炎症が長期間続き、範囲が広い場合ほど、大腸の粘膜にがん(colitic cancer)が生じやすくなることが知られています。そのため、潰瘍性大腸炎は大腸がんのリスク因子とされ、長期の経過では定期的な内視鏡による検査が勧められます。したがって、この記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、たんぱく漏出性胃腸症では、血漿たんぱく質が消化管の中へ漏れ出すため、低アルブミン血症が起こります。クローン病は10〜20歳台の若い人に発症が多い病気です。過敏性腸症候群は、腹痛と便通異常が続くものの、内視鏡などで調べても炎症や潰瘍などの器質的病変がない機能性の疾患です。麻痺性イレウスは腸の動きが止まった状態なので、腸蠕動音は弱まるか聞こえなくなります。
炎症性腸疾患のうち若年発症が特徴なのはクローン病、がん化に注意が必要なのは潰瘍性大腸炎、と疾患ごとの要点を一つずつ結びつけると覚えやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1たんぱく漏出性胃腸症では、高アルブミン血症がみられる。:たんぱく漏出性胃腸症は、血液中のたんぱく質が腸管の内腔へ失われる病態です。アルブミンが失われるので血中濃度は下がり、むくみの原因になります。高くなることはありません。
- 2クローン病の発症は、高齢者に多い。:クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも非連続性の病変ができる炎症性腸疾患で、10歳台後半から20歳台の若年者に発症が多いのが特徴です。高齢者に多い病気ではありません。
- 4過敏性腸症候群は、器質的病変がある。:過敏性腸症候群は、ストレスなどを背景に腹痛と下痢・便秘が繰り返される機能性の疾患です。検査をしても潰瘍や腫瘍などの形の異常が見つからないことが診断の前提になります。
- 5麻痺性イレウスでは、腸蠕動音が亢進する。:麻痺性イレウスは、腹膜炎や手術後などで腸の動きそのものが止まって内容物が進まない状態です。腸が動かないので、聴診での腸の音は弱くなるか消えてしまいます。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問27(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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