第40回 午前 問68
基礎栄養学
遺伝形質に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 1遺伝子多型は、集団の1%未満の頻度で存在する遺伝子変異である。
- 2体質の差を生む要因として、遺伝子多型がある。
- 3遺伝子多型の一種であるSNPは、1つの塩基が別の塩基に置換された遺伝子変異である。
- 4倹約遺伝子は、エネルギー消費を抑制するように働く遺伝子である。
- 5肥満のリスクを高める要因として、脱共役たんぱく質1(UCP 1)の遺伝子変異がある。
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✓ これが正解1遺伝子多型は、集団の1%未満の頻度で存在する遺伝子変異である。
解説
遺伝子多型は集団の1%以上の頻度でみられる違いです。
遺伝形質の問いは、遺伝子変異と遺伝子多型の区別、そして体質や肥満に関わる代表的な遺伝子で判断します。一般に、集団の中で1%以上の頻度でみられる塩基配列の違いを遺伝子多型と呼び、1%未満のまれなものは変異として区別します。したがって、遺伝子多型を1%未満の頻度の遺伝子変異とする記述が誤りです。
ほかの記述はいずれも正しい内容です。遺伝子多型は体質の個人差の一因で、SNPは塩基1つの置き換わりによる多型です。倹約遺伝子はエネルギーをため込む方向に働き、脱共役たんぱく質やβ3アドレナリン受容体の遺伝子の変異は肥満のリスクを高める要因として知られています。
多型は1%以上でありふれたもの、変異はまれなもの、と頻度の境目で覚えておくと、この種の記述をすばやく見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2体質の差を生む要因として、遺伝子多型がある。:遺伝子多型によって、酵素や受容体の働きに個人差が生まれます。同じ食事や生活でも太りやすさや栄養素の代謝に差が出る体質の違いの一因となり、記述は正しい内容です。
- 3遺伝子多型の一種であるSNPは、1つの塩基が別の塩基に置換された遺伝子変異である。:SNPは一塩基多型(single nucleotide polymorphism)の略で、DNAの塩基配列のうち1つの塩基が別の塩基に置き換わったものです。遺伝子多型の代表的な種類で、記述は正しい内容です。
- 4倹約遺伝子は、エネルギー消費を抑制するように働く遺伝子である。:倹約遺伝子は、飢餓に備えてエネルギー消費を抑え、余ったエネルギーを脂肪として蓄えやすくする方向に働くと考えられている遺伝子です。記述は正しい内容です。
- 5肥満のリスクを高める要因として、脱共役たんぱく質1(UCP 1)の遺伝子変異がある。:UCP1は褐色脂肪組織で熱を産生するたんぱく質で、その遺伝子の変異により熱産生が低下すると、エネルギー消費が減って肥満のリスクが高まるとされます。記述は正しい内容です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問68(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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