第40回 午前 問81
基礎栄養学
呼吸商に関する問題
C18H36O2の化学式で表される栄養素が、生体内で完全に酸化した時の呼吸商の数値である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 10.69
- 20.79
- 30.85
- 40.95
- 51.00
答えと解説を見る
✓ これが正解10.69
解説
ステアリン酸の完全酸化では、CO2 18÷O2 26で約0.69です。
呼吸商は、栄養素が体内で完全に酸化されるときに生じる二酸化炭素の量を、消費される酸素の量で割った比です。C18H36O2は炭素数18の飽和脂肪酸であるステアリン酸で、完全に酸化される反応はC18H36O2+26O2→18CO2+18H2Oと書けます。
酸素の数は、右辺の酸素原子が18×2+18=54個、左辺のステアリン酸に2個あるので、O2は(54−2)÷2=26分子必要です。したがって呼吸商は18÷26=0.692…で、0.69となります。脂質の呼吸商がおよそ0.7とされるのはこのためです。
したがって、0.69が適当です。呼吸商は、炭水化物は1.0、脂質は約0.7、たんぱく質は約0.8と覚えたうえで、化学式が示されたら反応式を書いて二酸化炭素と酸素の分子数の比を求めましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 20.79:0.79は、示された化学式の完全酸化の式からは導けない値です。この問いはC・H・Oだけからなる脂肪酸1種類の燃焼を扱っており、窒素を含むたんぱく質の値を当てはめる場面ではありません。
- 30.85:0.85は、ステアリン酸の完全酸化からは出てこない値です。呼吸商は二酸化炭素÷酸素で求め、ここでは18÷26です。逆に酸素÷二酸化炭素で割ると1.44で、どちらの向きでも0.85にはなりません。
- 40.95:0.95は、ステアリン酸の完全酸化から求めた比18÷26とは一致しません。脂肪酸は分子の中の酸素が少なく、燃やすのに多くの酸素が要るため、呼吸商は1よりかなり小さくなります。
- 51.00:1.00は、グルコースなど炭水化物を完全に酸化したときの呼吸商です。炭水化物では消費する酸素と生じる二酸化炭素の分子数が等しくなりますが、脂肪酸では酸素のほうが多く必要です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問81(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)