第40回 午前 問87
応用栄養学
妊娠期の母体の生理的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 11回当たりの心拍出量は、減少する。
- 2糸球体濾過量は、減少する。
- 3血中ヘモグロビン値は、上昇する。
- 4血中アルブミン値は、上昇する。
- 5血中トリグリセリド値は、上昇する。
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✓ これが正解5血中トリグリセリド値は、上昇する。
解説
妊娠期は脂質代謝が変わり、血中トリグリセリド値が上昇します。
妊娠期の母体は、胎児の発育を支えるために循環血液量や代謝が大きく変化します。脂質代謝では、妊娠の後半に向けてエストロゲンなどの作用やインスリン抵抗性の高まりにより、血中トリグリセリドやコレステロールが上昇します。母体の脂質を胎児へのエネルギー供給に回すための生理的な変化です。
ほかの記述は、変化の向きが逆です。循環血液量が増えるので心臓や腎臓の仕事量は増える方向に変わり、一方で血漿の増え方が赤血球より大きいため、血液中の成分の濃度は薄まる方向に変わります。
したがって、血中トリグリセリド値は上昇するという記述が適当です。妊娠期は、量が増えるもの(循環血液量・心拍出量・糸球体濾過量・脂質)と、薄まって下がるもの(ヘモグロビン・アルブミン)に分けて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 11回当たりの心拍出量は、減少する。:妊娠期は循環血液量が増え、心拍数と1回当たりの心拍出量がともに増えて、全体の心拍出量が増加します。1回当たりの心拍出量が減少するという記述は逆です。
- 2糸球体濾過量は、減少する。:妊娠期は腎血流量が増え、糸球体濾過量も増加します。そのため尿中に糖が出やすくなるなどの変化がみられ、糸球体濾過量が減少するという記述は逆です。
- 3血中ヘモグロビン値は、上昇する。:妊娠期は血漿量の増え方が赤血球の増え方を上回るため血液が薄まり、血中ヘモグロビン値は低下します。この状態は水血症とも呼ばれ、上昇するという記述は逆です。
- 4血中アルブミン値は、上昇する。:血漿量が増えて血液が薄まるため、血中アルブミン値は低下します。妊娠期に浮腫が起こりやすい一因にもなり、上昇するという記述は逆です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問87(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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