第40回 午前 問96
応用栄養学
暑熱環境下における生理的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1人体の中心(核心)温度は、体表面温度より変化しやすい。
- 2発汗は、熱放散を抑制する。
- 3暑熱馴化(順化)により、発汗開始までの時間が短くなる。
- 4基礎代謝量は、上昇する。
- 5バソプレシン分泌量は、減少する。
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✓ これが正解3暑熱馴化(順化)により、発汗開始までの時間が短くなる。
解説
暑熱順化が進むと、発汗が始まるまでの時間が短くなります。
暑熱環境での生理的変化は、体温を保つために熱をどう逃がすか(皮膚の血流の増加と発汗)と、それにともなう水分・ホルモンの変化で判断します。暑さに繰り返しさらされて体が慣れること(暑熱順化)が進むと、発汗が始まるまでの時間が短くなり、汗の量が増え、汗に含まれるナトリウムの濃度は低くなります。より効率よく熱を逃がせるようになる変化です。
ほかの記述は、向きが逆です。体の中心部の温度は狭い範囲に保たれ、汗は熱を逃がす側に働きます。暑い環境では熱をつくる必要が減り、汗で水分を失うと体内の水を保つ仕組みが強まります。
したがって、暑熱馴化(順化)により発汗開始までの時間が短くなるという記述が適当です。暑熱順化は、汗が早く・多く・薄くなる、と3つの変化で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1人体の中心(核心)温度は、体表面温度より変化しやすい。:人体の中心(核心)温度は、体温調節の働きによって狭い範囲に保たれています。外気の影響を受けて変化しやすいのは体表面温度の方で、記述は逆です。
- 2発汗は、熱放散を抑制する。:汗は皮膚の表面で蒸発するときに気化熱として熱を奪うため、発汗は熱放散を促進します。暑熱環境で体温を下げる最も重要な手段の一つで、抑制するという記述は逆です。
- 4基礎代謝量は、上昇する。:暑熱環境では体温を保つために熱をつくる必要が少ないため、基礎代謝量は低下します。寒冷環境では逆に熱産生が高まり、基礎代謝量は上昇します。
- 5バソプレシン分泌量は、減少する。:暑熱環境で発汗により水分が失われると、血漿浸透圧が上がり、腎臓での水の再吸収を促すバソプレシンの分泌量は増加します。尿量を減らして体内の水を保つための反応です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問96(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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