第40回 午後 問105
栄養教育論
自己効力感に関する問題
K小学校に勤務する栄養教諭である。1年生の担任から、「子どもたちには給食のおかずの盛付け量の調整が難しいようで、おかずの当番を嫌がっています。」と相談され、児童への言葉かけについて助言を行った。児童の自己効力感を高めることにつながる言葉かけとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1これまでに、上手に盛り付けできたことはありませんか。
- 2盛り付けが上手な、上級生のクラスを見学しに行きましょうか。
- 3先生がコツを教えますから、一緒にやってみましょう。
- 4みんななら大丈夫。きっとできますよ。
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✓ これが正解3先生がコツを教えますから、一緒にやってみましょう。
解説
コツを教え一緒にやり、成功体験を積ませる言葉かけが適切です。
自己効力感は、ある行動を自分はうまくやれるという見込みのことです。自己効力感を高める情報源として、自分で実際にできた成功体験、他者がうまくやるのを見る代理体験、周囲からの励ましである言語的説得、体や気持ちの状態の4つが知られ、中でも成功体験の効果が大きいとされます。
1年生の児童は盛付け量の調整に慣れておらず、当番を嫌がっています。先生がコツを教えたうえで一緒にやってみると、児童は支えを受けながら実際に盛り付けを経験し、うまくできたという体験を積むことができます。これは成功体験を通して自己効力感を高める言葉かけで、最も適切です。ほかの言葉かけも情報源のどれかにはあたりますが、入学して間もない1年生という相手を考えると、思い出せる体験が少ない、手本との差が大きい、裏付けのない励ましにとどまる、という弱さがあります。
自己効力感の問題では、4つの情報源のどれにあたるかに加え、その相手に実際に働くかどうかまで考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1これまでに、上手に盛り付けできたことはありませんか。:これまでの成功を思い出させる問いかけは成功体験に目を向ける方法ですが、入学して間もない1年生には、盛付けがうまくできた経験自体が少ないと考えられます。今の困りごとを解決する手がかりにはなりにくい言葉かけです。
- 2盛り付けが上手な、上級生のクラスを見学しに行きましょうか。:上級生のクラスの見学は代理体験にあたりますが、年齢も技能も離れた相手の上手な姿は、自分にも同じようにできるとは感じにくいものです。自分と似た手本ほど効果が出やすいとされます。
- 4みんななら大丈夫。きっとできますよ。:大丈夫、きっとできるという言葉は言語的説得にあたりますが、コツや具体的な方法が伴わない励ましだけでは、実際の盛付けの難しさは変わりません。自己効力感を高める力は弱い言葉かけです。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問105(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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