第40回 午後 問107
栄養教育論
エンパワメントに関する問題
K市食育関連部局の管理栄養士である。K市では、地域の伝統料理に関する市民向けの教室を年に数回実施している。ある年度の教室の修了者が集まって自主グループを結成し、伝統料理をアレンジしたレシピの開発や地域での料理教室などの活動を始めた。グループのエンパワメントにつなげる支援である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1グループメンバーの各自で、伝統料理について地域の高齢者に対して聞き取りをする機会を提供した。
- 2伝統料理を学ぶ市外のグループを紹介し、情報交換をする機会を提供した。
- 3K市の健康祭りで、開発した料理の試食・販売コーナーを設け、グループの活動内容を市民に向けてPRしてもらった。
- 4グループが作成したレシピを、市の広報誌で紹介した。
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✓ これが正解3K市の健康祭りで、開発した料理の試食・販売コーナーを設け、グループの活動内容を市民に向けてPRしてもらった。
解説
健康祭りで試食・販売とPRを任せ、グループの力を発揮させます。
エンパワメントは、個人や集団が自分たちの力に気づき、自ら決定し行動する力を高めていく過程です。グループのエンパワメントを支援するときは、行政が代わりに活動するのではなく、グループが主体となって力を発揮し、その成果が周囲に認められる場をつくることが大切です。
K市の健康祭りで、グループが開発した料理の試食・販売コーナーを設け、活動内容をグループ自身に市民へPRしてもらうと、メンバーは自分たちの活動を自分たちの言葉で発信し、市民からの反応を直接受けることができます。主体的に活動する場と、成果を認められる経験が得られるので、グループとしての自信や力の向上につながり、最も適切です。ほかの支援は、個人の学び、外部との交流、行政による代わりの発信にとどまり、グループ自身が地域に向けて力を示す場にはなっていません。
エンパワメントの支援では、主語が支援者ではなくグループ自身になっているかを確かめると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1グループメンバーの各自で、伝統料理について地域の高齢者に対して聞き取りをする機会を提供した。:メンバー各自が地域の高齢者に聞き取りをするのは、伝統料理についての個人の学びを深める機会です。グループとしてまとまって活動し、その成果を発揮する場にはなっていません。
- 2伝統料理を学ぶ市外のグループを紹介し、情報交換をする機会を提供した。:市外の似たグループとの情報交換は、ネットワークづくりや学び合いの機会として意味があります。ただ、グループ自身が地域で主体的に活動を示す場ではなく、この中で最も力を引き出す支援とは言えません。
- 4グループが作成したレシピを、市の広報誌で紹介した。:市の広報誌でレシピを紹介するのは、市がグループの代わりに発信する形です。グループが自ら市民に働きかける経験にはならず、主体性を高める支援としては弱くなります。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問107(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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