第40回 午後 問108
栄養教育論
K運送会社から社員の栄養教育を依頼された管理栄養士である。社員の食生活上の課題を把握するために、各営業所のマネージャーを集めてフォーカスグループインタビューを実施する。企画、当日の運営、評価に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1効率的に意見を収集するため、1グループ当たりの参加者は20人とする。
- 2ファシリテーターとして、参加者の自由な意見交換を促すために、最初にテーマを伝えた後の発言は控える。
- 3営業所ごとの課題を詳細に把握するため、1対1で質問し回答してもらう。
- 4記録者には、参加者の全ての発言内容を、そのまま記録してもらう。
- 5インタビューで得られた情報について、平均値や割合の算出など定量的な分析を行う。
答えと解説を見る
✓ これが正解4記録者には、参加者の全ての発言内容を、そのまま記録してもらう。
解説
記録者は参加者の発言をすべてそのまま記録します。
フォーカスグループインタビューは、共通の特徴をもつ少人数の参加者に集まってもらい、司会役のファシリテーターのもとで、あるテーマについて自由に話し合ってもらう質的な調査方法です。参加者どうしのやりとりから、本音や考え方の背景を引き出せることが特徴です。
得られた発言は質的な分析の材料になるため、記録者は要約や取捨選択をせず、参加者の発言を全てそのまま記録することが求められます。録音を併用することも一般的です。このため、記録者に全ての発言をそのまま記録してもらうという記述が適当です。ほかの記述は、人数の多さ、司会の役割の放棄、個別の面接、数値による集計という点で、少人数の話し合いから言葉のデータを集めるというこの方法の特徴から外れています。
フォーカスグループインタビューは、少人数の集団、話し合いを導く司会、逐語の記録、質的な分析の4点で押さえると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1効率的に意見を収集するため、1グループ当たりの参加者は20人とする。:20人では参加者が多すぎて、一人ひとりが発言する時間が足りず、意見のやりとりも深まりにくくなります。この方法では、互いの話を聞きながら話せる少人数のグループで行うのが一般的です。
- 2ファシリテーターとして、参加者の自由な意見交換を促すために、最初にテーマを伝えた後の発言は控える。:ファシリテーターの役割は、話し合いが自由に進むよう促しながら、話題がテーマから外れたり一部の人の発言に偏ったりしたときに調整することです。最初にテーマを伝えたあと黙ってしまうと、その役割を果たせません。
- 3営業所ごとの課題を詳細に把握するため、1対1で質問し回答してもらう。:1対1で質問して答えてもらうのは個別のインタビューの方法です。参加者どうしの話し合いから意見を引き出すというこの方法の特徴が生かされません。
- 5インタビューで得られた情報について、平均値や割合の算出など定量的な分析を行う。:この方法で得られるのは発言という言葉のデータなので、内容を分類して意味を読み取る質的な分析を行います。平均値や割合を出す量的な分析は、質問紙調査などで用いる方法です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問108(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
同じ用語が出る問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)