第40回 午後 問117
臨床栄養学
クローン病に関する問題
21歳、男性。大学生。クローン病。BMI 18.0 kg/m²。1か月の入院加療を要した。入院前は、カレーライスなどの外食をする機会が多かった。成分栄養剤と食事を併用しながら食事療法を行うために、医師から退院前の栄養食事指導の依頼があった。患者は、入院前のように大学生活を送ることを希望しており、食生活の改善に意欲を見せている。患者への助言および説明の内容として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1今の体重を維持しましょう。
- 2香辛料を活用して、食事摂取量を増やしましょう。
- 3揚げ物より煮物を選びましょう。
- 4大学食堂では、ハヤシライスを選びましょう。
- 5成分栄養剤(1包80 g)は、ご飯(100 g)と同程度のエネルギーがあります。
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✓ これが正解3揚げ物より煮物を選びましょう。
解説
脂質を控えるため、揚げ物より煮物を選ぶ助言が適当です。
クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症や潰瘍が起こりうる炎症性腸疾患で、悪くなる時期と落ち着く時期をくり返します。落ち着いた状態を保つための食事療法では、腸に負担をかけないよう低脂肪・低残渣を基本とし、十分なエネルギーをとることが大切です。脂質のとりすぎは症状の悪化と関係するとされ、成分栄養剤を併用して栄養状態を保つ方法がよく用いられます。
揚げ物は油を多く使い、脂質が多い料理です。煮物を選ぶと脂質の摂取を抑えながら食事をとることができるので、外食の機会が多い大学生活でも実行しやすい助言として最も適当です。ほかの助言や説明は、やせている体格、刺激物の扱い、ルウを使う料理の脂質、栄養剤のエネルギー量のいずれかの点で、この患者の食事療法と合っていません。
クローン病の食事は、脂質を控える、刺激を避ける、エネルギーは十分にとる、の3点で判断すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1今の体重を維持しましょう。:この患者はBMI 18.0 kg/m²でやせており、栄養状態の改善が必要です。現体重を保つのではなく、成分栄養剤と食事で十分なエネルギーをとり、体重を増やすことを目標にします。
- 2香辛料を活用して、食事摂取量を増やしましょう。:香辛料は消化管の粘膜への刺激となるため、クローン病の食事では控えるよう勧めます。食欲を出す目的であっても、刺激の強い調味を増やすことは症状の悪化につながるおそれがあります。
- 4大学食堂では、ハヤシライスを選びましょう。:ハヤシライスは、カレーライスと同じようにルウに油脂を多く使う料理で、脂質の多いメニューです。カレーより刺激は少なくても、脂質を控えるという点で勧める料理にはなりません。
- 5成分栄養剤(1包80 g)は、ご飯(100 g)と同程度のエネルギーがあります。:成分栄養剤は1包80 gでおよそ300 kcalあり、ご飯100 g(およそ156 kcal)の2倍近いエネルギーをもちます。同程度という説明は、成分栄養剤のエネルギーを少なく見積もっています。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問117(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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