第40回 午後 問116
臨床栄養学
静脈栄養法に関する問題
静脈栄養法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1末梢静脈栄養では、2,000 kcal/日投与できる。
- 2中心静脈栄養では、感染リスクがない。
- 3開始液には、カリウムが含まれる。
- 4維持液には、開始液よりもナトリウムが多く含まれる。
- 5脂肪乳剤は、末梢静脈から投与できる。
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✓ これが正解5脂肪乳剤は、末梢静脈から投与できる。
解説
脂肪乳剤は浸透圧が低く、末梢静脈から投与できます。
静脈栄養法には、腕などの細い静脈から入れる末梢静脈栄養と、心臓に近い太い静脈にカテーテルを置く中心静脈栄養があります。末梢の静脈は細く血流が少ないため、浸透圧の高い輸液を入れると静脈炎を起こしやすく、入れられる糖の濃度とエネルギー量には限りがあります。
脂肪乳剤は、少ない量で多くのエネルギーをとれるうえ、浸透圧が血液に近いため、末梢静脈から投与できます。末梢静脈栄養でエネルギーを補う手段としても使われるので、この記述が適当です。ほかの記述は、末梢から入れられる量を大きく見積もっている、中心静脈栄養の合併症を見落としている、輸液の組成を逆に述べている、という点で誤りです。
静脈栄養は、末梢か中心か、浸透圧が高いか低いか、の2点で整理すると見分けやすくなります。輸液の組成は、開始液はカリウムを含まない、維持液はカリウムを含みナトリウムが少ない、と対にして覚えておきます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1末梢静脈栄養では、2,000 kcal/日投与できる。:末梢静脈は細く、浸透圧の高い糖液を入れると静脈炎を起こすため、投与できるエネルギー量には限りがあります。1日に2,000 kcalを入れるには、太い静脈を使う中心静脈栄養が必要になります。
- 2中心静脈栄養では、感染リスクがない。:中心静脈栄養では、体内に留置したカテーテルを通って細菌が入り、血流感染を起こすことがあります。感染リスクがないのではなく、清潔な管理が欠かせない方法です。
- 3開始液には、カリウムが含まれる。:開始液(1号液)は、腎機能や血清カリウム値がわからない段階でも安全に使えるよう、カリウムを含まない組成にしてあります。カリウムが含まれるという記述は逆です。
- 4維持液には、開始液よりもナトリウムが多く含まれる。:維持液(3号液)は、1日に必要な水分と電解質を補う組成で、ナトリウムは開始液より少なく、その代わりにカリウムを含みます。ナトリウムが多いという記述は逆になっています。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問116(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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