第40回 午後 問119
臨床栄養学
医薬品と、医薬品が栄養素の動態に及ぼす影響の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1メトトレキサート ― 葉酸代謝の阻害
- 2ループ利尿薬 ― 尿中カリウム排泄の抑制
- 3ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 ― 尿中カリウム排泄の促進
- 4SGLT2阻害薬 ― 尿中グルコース排泄の抑制
- 5α─グルコシダーゼ阻害薬 ― 小腸グルコース吸収の促進
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✓ これが正解1メトトレキサート ― 葉酸代謝の阻害
解説
メトトレキサートは葉酸の代謝を妨げる薬です。
薬の中には、栄養素の吸収や代謝、排泄に影響するものがあり、栄養管理では薬の作用と栄養素の動きをあわせて考える必要があります。
メトトレキサートは、葉酸を活性型に変える酵素(ジヒドロ葉酸還元酵素)を阻害する薬で、関節リウマチや一部のがんの治療に使われます。葉酸の代謝を妨げることで細胞の増殖を抑えるため、葉酸代謝の阻害という組合せが最も適当です。副作用を減らす目的で葉酸製剤を併用することがあります。ほかの組合せは、どれも作用の向きが逆になっています。利尿薬やSGLT2阻害薬は尿へ出す量を増やす向き、カリウムを保つ利尿薬は排泄を減らす向き、糖の分解酵素を阻害する薬は吸収を遅らせる向きに働きます。
薬と栄養素の組合せは、どの栄養素に働くかだけでなく、増やすのか減らすのかという向きまで確かめると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2ループ利尿薬 ― 尿中カリウム排泄の抑制:ループ利尿薬は、腎臓のヘンレループでナトリウムの再吸収を抑え、その結果、尿中へのカリウムの排泄も増えます。排泄を抑制するのではなく促進するので、低カリウム血症に注意が必要です。
- 3ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 ― 尿中カリウム排泄の促進:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、アルドステロンによるナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を妨げます。そのためカリウムの排泄は減り、促進ではなく抑制の向きに働きます。
- 4SGLT2阻害薬 ― 尿中グルコース排泄の抑制:SGLT2阻害薬は、近位尿細管でグルコースを再吸収する輸送体を阻害する薬です。再吸収されなかったグルコースが尿に出るので、尿中グルコースの排泄は増えます。
- 5α─グルコシダーゼ阻害薬 ― 小腸グルコース吸収の促進:α─グルコシダーゼ阻害薬は、小腸で糖を分解する酵素を阻害して、グルコースの吸収を遅らせ、食後の血糖の上昇を抑えます。吸収を促進するのではありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問119(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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