第40回 午後 問130
臨床栄養学
労作性狭心症に関する問題
54歳、男性。会社員。坂道で前胸部痛が出現するようになり受診し、労作性狭心症と診断された。身長170 cm、体重75 kg、BMI 26.0 kg/m²、標準体重64 kg。血圧146/90 mmHg。空腹時の血液検査値は、LDLコレステロール186 mg/dL、HDLコレステロール50 mg/dL、トリグリセリド146 mg/dL。この患者に対する栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1体重は、現体重を維持する。
- 2エネルギーは、1,400 kcal/日とする。
- 3飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率は、7%E以上とする。
- 4コレステロール摂取量は、200 mg/日未満とする。
- 5食塩は、7g/日とする。
答えと解説を見る
✓ これが正解4コレステロール摂取量は、200 mg/日未満とする。
解説
高LDLコレステロール血症では、コレステロールを200 mg/日未満とします。
労作性狭心症は、動脈硬化によって冠動脈が狭くなり、坂道などで体を動かしたときに心筋が酸素不足になって胸の痛みが起こる病気です。この患者はLDLコレステロールが186 mg/dLと高く、BMIも26.0 kg/m²と肥満の範囲にあり、血圧も高めです。冠動脈疾患がある人では、再発や進行を防ぐため、LDLコレステロールを下げる食事療法が重要になります。
日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、高LDLコレステロール血症の場合に、コレステロールの摂取を200 mg/日未満に抑えることが勧められています。したがって、コレステロール摂取量を200 mg/日未満とする記述が最も適当です。ほかの記述は、体重の目標、エネルギーの量、飽和脂肪酸の向き、食塩の量のいずれかが、この患者に必要な管理と合っていません。
脂質異常症の食事では、飽和脂肪酸とコレステロールにはそれぞれ上限がある、と押さえると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1体重は、現体重を維持する。:この患者はBMI 26.0 kg/m²で肥満の範囲にあり、体重の減少が血圧やLDLコレステロールの改善にもつながります。現体重を保つのではなく、標準体重に近づけるよう減量を目指します。
- 2エネルギーは、1,400 kcal/日とする。:エネルギーは、標準体重64 kgに軽い労作の係数25〜30 kcalを掛けると1,600〜1,920 kcal/日ほどになります。1,400 kcal/日はこれを下回り、続けにくく筋肉の減少も招きやすい量です。
- 3飽和脂肪酸の摂取エネルギー比率は、7%E以上とする。:飽和脂肪酸はLDLコレステロールを上げる働きがあるため、摂取に上限を設けて7%E未満に抑えます。7%E以上とすると、摂取を増やす方向の指示になってしまいます。
- 5食塩は、7g/日とする。:高血圧を伴う人や冠動脈疾患の予防では、食塩を6 g/日未満にすることが勧められます。7 g/日では目標に届かず、この患者の血圧146/90 mmHgを下げるには不十分です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問130(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)