第40回 午後 問131
臨床栄養学
腎・尿路疾患の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1急性糸球体腎炎乏尿期では、食塩摂取量を3g/日以下に制限する。
- 2微小変化型ネフローゼ症候群では、たんぱく質摂取量を0.8 g/kg標準体重/日とする。
- 3急性腎障害(AKI)では、代謝性アルカローシスを認める。
- 4末期CKDでは、血中1α,25─ジヒドロキシビタミンD値が上昇する。
- 5尿路結石では、飲水量を制限する。
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✓ これが正解1急性糸球体腎炎乏尿期では、食塩摂取量を3g/日以下に制限する。
解説
急性糸球体腎炎の乏尿期は、食塩を3 g/日以下に制限します。
急性糸球体腎炎は、溶連菌などの感染のあとに糸球体に炎症が起こる病気で、血尿、たんぱく尿、浮腫、高血圧がみられます。乏尿期には尿の量が減り、体に水分とナトリウムがたまりやすくなるため、浮腫や高血圧が強くなります。このため、食塩を0〜3 g/日程度に厳しく制限し、水分も前日の尿量などをもとに制限します。したがって、乏尿期に食塩を3 g/日以下に制限するという記述が最も適当です。
ほかの記述は、病型に応じたたんぱく質の量、酸塩基平衡の向き、活性型ビタミンDの増減、水分の扱いのいずれかを取り違えています。腎臓の病気では、病態によって制限する栄養素も、その程度も変わる点に注意が必要です。
腎臓の病気の栄養管理は、どの病態でどの栄養素を制限するか、その程度まで合わせて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2微小変化型ネフローゼ症候群では、たんぱく質摂取量を0.8 g/kg標準体重/日とする。:微小変化型ネフローゼ症候群は治療への反応がよく、たんぱく質は1.0〜1.1 g/kg標準体重/日程度とされます。0.8 g/kg標準体重/日は、それ以外の病型のネフローゼ症候群で用いられる量です。
- 3急性腎障害(AKI)では、代謝性アルカローシスを認める。:急性腎障害では、腎臓から酸を十分に排泄できなくなり、体内に酸がたまって代謝性アシドーシスになります。アルカローシスとは逆の状態です。
- 4末期CKDでは、血中1α,25─ジヒドロキシビタミンD値が上昇する。:末期CKDでは、腎臓で活性型ビタミンDを作る働きが低下するため、血中の1α,25─ジヒドロキシビタミンD値は下がります。そのためカルシウムの吸収が減り、骨の障害につながります。
- 5尿路結石では、飲水量を制限する。:尿路結石では、尿を薄めて結石の成分が固まりにくくなるよう、水分を多くとって尿量を増やすことが勧められます。飲水を制限すると尿が濃くなり、結石ができやすくなります。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問131(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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