平成28年度 春期 午前 問60
システム監査
ITガバナンスに関する問題
"システム監査基準"における,組織体がシステム監査を実施する目的はどれか。
- ア自社の強み・弱み,自社を取り巻く機会・脅威を整理し,新たな経営戦略・事業分野を設定する。
- イシステム運用部門によるテストによって,社内ネットワーク環境の脆弱性を知り,ネットワーク環境を整備する。
- ウ情報システムにまつわるリスクに対するコントロールの整備・運用状況を評価し,改善につなげることによって,IT ガバナンスの実現に寄与する。
- エソフトウェア開発の生産性のレベルを客観的に知り,開発組織の能力を向上させるために,より高い生産性レベルを目指して取り組む。
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✓ これが正解ウ情報システムにまつわるリスクに対するコントロールの整備・運用状況を評価し,改善につなげることによって,IT ガバナンスの実現に寄与する。
解説
コントロールを評価し、ITガバナンスの実現に寄与することです。
システム監査基準は、組織体が自ら情報システムを調べて、改善につなげる営みの目的と原則を定める文書です。この基準に照らして問われているのは、監査を実施することで組織が何を得るのかという狙いにあります。判定の軸は、その狙いが、情報システムに関わる不確実性への統制の整い方を評価し、経営の側の統制、すなわち IT ガバナンスの実現に寄与するところに置かれているかどうかです。監査は自らを分析して事業戦略を組み直す営みや、脆弱性を洗い出して基盤を整える営み、開発の生産性を測って組織能力を高める営みとは目的が違います。これらはそれぞれ経営分析や技術試験、能力測定の場面の話で、統制の整備と運用の妥当さを独立の立場で評価し、経営に還元するという監査の狙いとは切り分けられます。だから、情報システムにまつわるリスクに対するコントロールの整備と運用状況を評価し、改善につなげることによって IT ガバナンスの実現に寄与する、と述べた記述が当たりました。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア自社の強み・弱み,自社を取り巻く機会・脅…:自社の強み・弱み、自社を取り巻く機会・脅威を整理し、新たな経営戦略・事業分野を設定すると述べています。経営分析と戦略立案の営みで、情報システムの統制を独立の立場で評価するという監査の狙いとは扱う対象と局面が違います。
- イシステム運用部門によるテストによって,社…:システム運用部門によるテストによって、社内ネットワーク環境の脆弱性を知り、ネットワーク環境を整備すると述べています。運用側が自ら弱点を測って基盤を整える営みで、独立の立場で統制を評価する監査の狙いには当たりません。
- エソフトウェア開発の生産性のレベルを客観的…:ソフトウェア開発の生産性のレベルを客観的に知り、開発組織の能力を向上させるために、より高い生産性レベルを目指して取り組むと述べています。能力測定と改善の営みで、統制の整備と運用状況を評価するという監査の狙いとは局面が違います。
この問題の用語
- ITガバナンス組織が情報システムをうまく使えるように、経営者が方向づけと監視を行う仕組みです。情報セキュリティガバナンスとは範囲が重複する場合があります。
- コントロール目的どおりに業務が進むように組み込む、決まりや点検、仕組みのことです。監査では、その整備と運用の状況が評価されます。
- システム監査基準システム監査を行う人が守るべき進め方をまとめた指針。誰がやっても同じ水準で点検できるように、手順と心構えを定めています。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 脅威情報資産に害を及ぼしうる出来事や行為のもと。弱点である脆弱性と結び付いたときに、実際の被害につながります。
- システム運用作ったシステムを日々動かし、支えていく仕事のことをいいます。稼働の監視やバックアップ、障害への対応などを決めた手順で行います。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- テスト決めたとおりに動くかを、実際に動かして確かめる作業のこと。何を確かめるかによって移行テスト、システムテストなどと呼び分けます。
出題当時の情報です(現在との違い)
システム監査基準はその後改訂され、現行は2023年4月の改訂版です(出題時は平成16年版)。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和8年度 科目A 問15:システム監査人の行為(部門)
- 令和6年度 科目A 問16:コアコンピタンスの説明(脅威)
- 平成30年度 春期 午前 問15:スケールアウトに関する記述(システム運用)
- 平成29年度 春期 午前 問75:会議におけるファシリテータの役割(コントロール)
- 平成25年度 春期 午前 問58:システム監査を実施する目的(システム監査基準)
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