2025年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問34
タックスプランニング
所得税の損益通算に関する次の記述
所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1生活の用に供していた自家用車を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
- 2ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
- 3上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
- 4業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。
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✓ これが正解4業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。
解説
業務用車両の譲渡損失は、事業所得などと損益通算できます。
損益通算は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失を、他の所得から差し引ける制度です。ただし、譲渡所得の損失でも、生活に通常必要でない資産や生活用動産の譲渡によるもの、上場株式等の譲渡によるものなどは、他の所得と通算できません。
生活の用に供していた自家用車は生活用動産で、その譲渡による所得は非課税とされるため、損失も生じなかったものとされ損益通算できません。ゴルフ会員権は生活に通常必要でない資産にあたり、その譲渡損失は損益通算できません。上場株式の譲渡損失は、申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得等とは通算できますが、総合課税を選んだ配当所得とは通算できません。これらの記述はいずれも適切です。
業務用車両は事業に使う資産で、生活用動産にも生活に通常必要でない資産にも当たりません。その譲渡による損失は総合課税の譲渡所得の損失となり、事業所得などの他の所得と損益通算できます。したがって、損益通算できないとする記述が不適切です。
損益通算できるのは不動産・事業・山林・譲渡の4つの所得の損失だけ、譲渡でも生活用や趣味・娯楽用の資産の損失は除く、と覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1生活の用に供していた自家用車を売却したこ…:通勤や買い物に使っていた自家用車は生活に通常必要な動産で、その売却による所得は非課税です。そのため売却損が出ても無いものとされ、他の所得と通算できないとする記述は適切です。
- 2ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得…:ゴルフ会員権は趣味や娯楽のための、生活に通常必要でない資産とされています。その譲渡で生じた損失は他の所得と通算できないので、この記述は適切です。
- 3上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金…:株の売却損を配当と相殺したいなら、配当を分離課税で申告する必要があります。配当を総合課税で申告すると売却損とは相殺できないので、通算できないとするこの記述は適切です。
出典:2025年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問34(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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