第110回 午前 問27
公衆衛生看護活動展開論
業務上疾病に関する問題
令和元年度(2019年度)の業務上疾病発生状況等調査における疾病分類別業務上疾病発生者数をグラフに示す。Aに該当するのはどれか。
疾病分類別業務上疾病発生者数のグラフ(原典は図。縦軸は人、目盛りは0・500・1,000で、1,000と6,000の間は省略の波線、上は6,000・6,500。各棒の高さを目盛りから読み取ったおよその値を書き写した):
- A: 約6,000人(6,000をわずかに超える)
- B: 約1,100人
- C: 約450人
- D: 約220人
- E: 約160人
- その他: 約340人
- 1化学物質による疾病
- 2負傷に起因する疾病
- 3物理的因子による疾病
- 4作業態様に起因する疾病
- 5じん肺及びじん肺合併症
答えと解説を見る
✓ これが正解2負傷に起因する疾病
解説
業務上疾病で最も多いのは、腰痛を中心とする負傷に起因する疾病です。
業務上疾病発生状況等調査は、仕事が原因で起こった病気(業務上疾病)で休業した人の数を、疾病の種類ごとに集計した厚生労働省の調査です。グラフでは、Aが約6,000人と、2番目のB(約1,100人)を大きく引き離しています。
業務上疾病の中で最も多いのは負傷に起因する疾病で、その大部分は、重い物を持ち上げたときなど、仕事中の動作をきっかけに起こる腰の痛み(災害性腰痛)が占めています。したがって、Aに該当するのは負傷に起因する疾病です。
ほかの区分は、いずれもAほど多くありません。化学物質による疾病は、有害な化学物質へのばく露による中毒や皮膚の障害などです。物理的因子による疾病は、暑い環境での熱中症や騒音による難聴などを含みます。作業態様に起因する疾病は、腰に負担のかかる作業を続けて起こる腰痛や、手指を使う作業による障害などです。じん肺及びじん肺合併症は、粉じんを長い間吸い込むことで起こる病気です。
業務上疾病では、負傷に起因する疾病、とくに腰痛が最も多い、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1化学物質による疾病:化学物質による疾病は、有機溶剤などの有害物質にさらされて起こる中毒や皮膚の障害です。グラフのAのように6,000人を超えて最多となる区分ではありません。
- 3物理的因子による疾病:物理的因子による疾病には、熱中症や騒音による難聴などが含まれます。夏場の熱中症などで一定数がみられますが、腰痛が中心となる負傷に起因する疾病ほど多くはありません。
- 4作業態様に起因する疾病:重量物を扱う作業や同じ動作の繰り返しなど、作業のやり方そのものが原因で徐々に起こる障害を集めた区分です。人数は、けがをきっかけとする腰痛を含む区分に比べてずっと少なくなります。
- 5じん肺及びじん肺合併症:じん肺及びじん肺合併症は、鉱物などの粉じんを長期間吸い込んで起こる病気です。発生者数は業務上疾病全体の中でごく一部で、最多のAには当たりません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問27(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)