第110回 午後 問13
公衆衛生看護管理論
健康危機管理に関する問題
健康危機管理について正しいのはどれか。
- 1対象分野に児童虐待が含まれる。
- 2定義は地域保健法に規定されている。
- 3市町村の地域防災計画の策定は努力義務である。
- 4対応は有事対応と事後対応の2つに大別される。
答えと解説を見る
✓ これが正解1対象分野に児童虐待が含まれる。
解説
健康危機管理の対象分野には児童虐待も含まれます。
健康危機管理は、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因で国民の生命や健康の安全が脅かされる事態に対して、健康被害の発生予防、拡大防止、治療などを行う業務です。この定義は厚生労働省健康危機管理基本指針などの行政の指針で示されたもので、地域保健法の条文で定義されているわけではありません。
保健所などが扱う健康危機の分野は、原因不明健康危機、災害有事・重大健康危機、感染症、結核、食品安全、飲料水安全、医療安全、介護等安全、精神保健医療、医薬品医療機器等安全、生活環境安全、そして児童虐待と幅広く整理されています。子どもの生命や健康が脅かされる児童虐待も健康危機の1つとして扱われるので、対象分野に児童虐待が含まれるという記述が正しい内容です。また地域健康危機管理ガイドラインは、未然防止、発生時に備えた準備、発生時の対応、被害の回復という側面に分けて考えており、有事と事後の2つだけではありません。
健康危機管理は平常時の備えから回復まで続く一連の取り組みで、分野も感染症や災害に限らない、と押さえておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2定義は地域保健法に規定されている。:健康危機管理の定義は、厚生労働省健康危機管理基本指針や地域健康危機管理ガイドラインといった行政の指針に示されています。地域保健法の条文に健康危機管理を定義した規定があるわけではありません。
- 3市町村の地域防災計画の策定は努力義務である。:災害対策基本法第42条は、市町村防災会議が市町村地域防災計画を作成し、毎年検討を加えて必要なら修正しなければならないと定めています。策定は義務であり、努力義務ではありません。
- 4対応は有事対応と事後対応の2つに大別される。:健康危機への備えは、起きてからの対応だけでなく、発生を防ぐ取り組みや平常時の準備も含みます。指針は未然防止・準備・対応・回復という側面で整理しており、有事と事後の2つに分ける記述は狭すぎます。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)