第110回 午後 問48
公衆衛生看護活動展開論
接触者健康診断に関する問題
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
Aさん(22歳、男性、大学生)は、10月から咳嗽が出現し、12月に増強したため、医療機関を受診したところ感染性の肺結核と診断された。診断した医師からB保健所に結核発生の届出があった。Aさんはこれまで結核の既往はない。
Aさんの居住する寮および大学がB保健所管内であり、接触者健康診断を実施することになった。B保健所の保健師がAさんに面接で確認した状況を以下に示す。
| 接触者 | 接触状況 |
|---|---|
| 同じ講義を履修している学生 | 週に2回、3時間 |
| 同じ寮で生活している学生 | トイレ、風呂、食堂を共用し、朝食・夕食を共にする |
| 別の大学の友人 | 11月に1回、3時間会食 |
| 講義を担当している大学の教員 | 週に1回、90分間 |
最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者はどれか。
- 1同じ講義を履修している学生
- 2同じ寮で生活している学生
- 3別の大学の友人
- 4講義を担当している大学の教員
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✓ これが正解2同じ寮で生活している学生
解説
生活を共にする寮の学生が、最も濃厚な接触者です。
結核の接触者健康診断では、感染性の患者と接触した人を、感染の危険の大きさで優先順位をつけて対象を決めます。結核は空気感染するため、患者と同じ空間で過ごした時間の長さと、空間の閉じられ方、接触の頻度が重要な手掛かりになります。
Aさんは感染性の肺結核で、10月から咳が出て12月に強くなっていました。表を見ると、同じ寮で生活している学生は、トイレ、風呂、食堂を共用し、朝食と夕食を毎日共にしています。決め手は、毎日の長い時間、閉じた生活空間を共有しており、家族に近い濃厚な接触にあたる点です。咳が強くなった時期にも接触が続いていたと考えられます。したがって、同じ寮で生活している学生を最優先に接触者健康診断の対象とします。講義を受ける学生や担当の教員は接触の時間が限られ、別の大学の友人は11月に1回の会食だけです。これらの人も感染の広がりに応じて対象を広げていきますが、最初に調べるのは寮の学生です。
接触者の優先度は、同じ空間で過ごす時間の長さと頻度、そして生活を共にしているかで判断すると迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1同じ講義を履修している学生:同じ講義の学生は週に2回、3時間ずつ同じ教室で過ごしており、接触はあります。ただ、生活の場を毎日共有する寮の学生に比べると接触の時間と頻度が少なく、最優先の対象にはなりません。
- 3別の大学の友人:別の大学の友人との接触は、11月に1回、3時間の会食だけです。接触の回数が限られているうえに咳が強くなる前の時期でもあり、毎日生活を共にする寮の学生より優先度は低くなります。
- 4講義を担当している大学の教員:講義を担当する教員との接触は週に1回、90分間で、表の中では接触の時間が最も短い部類に入ります。教室内での接触ではあっても、寮で生活を共にする学生より先に調べる必要はありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問48(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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