第110回 午後 問47
公衆衛生看護活動展開論
いじめ防止対策に関する問題
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
Aさん(15歳、男子、中学3年生)はこれまで保健室に来室することがなかったが、今週に入り「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴えて2回来室した。来室すると養護教諭が促すまで教室に戻ることがない。
Aさんは毎日保健室へ来室するようになった。気になった養護教諭が「何かあったのか」と尋ねると、いじめに遭っていると話し始めた。Aさんは同級生にスマートフォンで撮られた自分の画像を、無断でクラス中に共有されたことがきっかけで教室に入るのが怖くなったと話した。
Aさんの事例を受けて、改めて中学校全体でいじめ防止対策を実施することになった。
この時点で学校が行ういじめ防止対策はどれか。
- 1所轄警察署との連携
- 2いじめ相談窓口の再周知
- 3いじめ対応事例集の作成
- 4いじめ加害者に対する懲戒制度の検討
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✓ これが正解2いじめ相談窓口の再周知
解説
この時点の対策は、いじめ相談窓口を改めて周知することです。
いじめの防止対策には、いじめを起こさない予防、早く気付く早期発見、起きたときの対処があります。学校全体で改めて取り組む際には、まず児童生徒が困ったときにすぐ相談できる道筋を確かなものにすることが、すべての児童生徒を守る基本になります。
Aさんの事例では、いじめが起きてから本人が保健室に来るようになり、養護教諭が尋ねるまで打ち明けられませんでした。決め手は、被害を受けている児童生徒が相談につながるまでに時間がかかっていた点です。いじめ相談窓口を改めて周知すれば、同じように悩みを抱えている他の生徒も早く声を上げやすくなり、早期発見につながります。すぐに全校で実施でき、すべての生徒に効果が及ぶ対策でもあります。したがって、いじめ相談窓口の再周知が、この時点で学校が行う対策として適切です。所轄の警察署との連携は犯罪に当たる重大な事案での対応、事例集の作成は時間をかけて行う教職員向けの取り組み、加害者への懲戒の検討は個別の事案への対処であり、学校全体の防止対策として最初に行うものではありません。
全校での防止対策は、すべての児童生徒に届き、すぐに始められるものかどうかで優先度を判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1所轄警察署との連携:所轄の警察署との連携は、いじめが犯罪に当たるような重大な事案で必要になる対応です。学校全体で改めていじめ防止に取り組む最初の段階で、すべての生徒に向けて行う対策ではありません。
- 3いじめ対応事例集の作成:いじめ対応事例集の作成は、教職員の対応力を高めるための取り組みで、まとめるまでに時間がかかります。今まさに悩んでいる生徒が相談しやすくなる、すぐ効果の出る対策ではありません。
- 4いじめ加害者に対する懲戒制度の検討:加害者に対する懲戒制度の検討は、いじめが起きた後の個別の事案への対処にあたります。すべての生徒に向けた防止対策ではなく、学校全体で取り組みを始める時点で優先するものではありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問47(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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