第111回 午前 問3
公衆衛生看護学概論
ソーシャルキャピタルで正しいの
ソーシャルキャピタルで正しいのはどれか。
- 1下部組織として地区組織活動がある。
- 2健康の社会的決定要因の1つである。
- 3健康増進法で活用することが示されている。
- 4グリーン, L. W.〈Green, L. W.〉らが開発した概念である。
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✓ これが正解2健康の社会的決定要因の1つである。
解説
ソーシャルキャピタルは健康の社会的決定要因の1つです。
ソーシャルキャピタルは、人と人との信頼、お互いさまという規範、人のつながり(ネットワーク)といった、地域や社会がもつ関係性の豊かさを指す概念です。政治学者のパットナムらの研究によって広く知られるようになりました。
人の健康は、医療や個人の生活習慣だけでなく、所得、教育、雇用、人とのつながりといった社会的な条件に左右されます。これを健康の社会的決定要因といい、ソーシャルキャピタルはその1つとして位置付けられています。つながりや信頼が豊かな地域ほど住民の健康状態がよい傾向があるという研究の積み重ねが、この位置付けの背景にあります。したがって、健康の社会的決定要因の1つとする記述が正しいものです。
保健師活動では、地区組織活動や住民同士の交流の場づくりが、ソーシャルキャピタルを育てる手段になります。概念そのものと、それを育てる活動や、それを取り上げた指針とを分けて考えると、組織や法令と結び付けた誤りを見抜けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1下部組織として地区組織活動がある。:ソーシャルキャピタルは組織ではなく、信頼やつながりといった関係性の性質を表す概念です。地区組織活動はそれを育てる手段の一つであり、上下の組織の関係にあるわけではありません。
- 3健康増進法で活用することが示されている。:ソーシャルキャピタルの活用は、地域保健法に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針などの指針類で示されています。健康増進法の条文そのものに活用が規定されているわけではありません。
- 4グリーン, L. W.〈Green, L. W.〉らが開発した概念である。:グリーン, L. W.は、健康教育の計画と評価のためのプリシード・プロシードモデルを開発した研究者として知られています。ソーシャルキャピタルの概念を広めたのはパットナムらで、人物の組合せが合いません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問3(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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