第111回 午後 問37
個人・家族・集団・組織の支援
特定保健指導に関する問題
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
Aさん(40歳、女性、会社員)。特定健康診査の結果は、身長156 cm、体重72 kg、BMI 29.6、腹囲91 cm、血圧140/90 mmHg、空腹時血糖95 mg/dL、HDLコレステロール38 mg/dL、中性脂肪160 mg/dL、喫煙歴はない。この結果から、特定保健指導の対象となり、保健師が初回面接をすることになった。
初回面接で、Aさんから「1か月に1 kgの体重減少を目標に、食事と運動の改善に取り組んでみたい」という発言が聞かれ、間食を減らすこと、毎日8,000歩を歩くことを目標とした。初回面接から2週後に電話連絡したところ、Aさんは「間食はしていないし、ご飯は小さなお茶碗に変えて1杯だけに減らしている。なかなか毎日8,000歩は歩けない。体重はあまり変わらない。こんな自分はだめだ」と話した。Aさんが始めた行動の継続を支援する保健師の対応で最も適切なのはどれか。
- 1「体重は増えていませんね」
- 2「目標値を6,000歩に下げてみましょうか」
- 3「運動もすることで病気の予防やストレスの解消にも有効です」
- 4「ご自身で考えてご飯の量を減らすことができていてすばらしいです」
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✓ これが正解4「ご自身で考えてご飯の量を減らすことができていてすばらしいです」
解説
自分で工夫してできている行動を認めて称賛し、継続を支えます。
行動を続けられるかどうかには、自分ならできるという自己効力感が大きく関わります。自己効力感を高める方法の一つが、実際にうまくできたことを確かめ、それを周りから認めてもらうことです。特定保健指導で行動を始めたばかりの時期は、体重などの成果がすぐには表れにくく、本人が挫折感を抱きやすいため、成果より行動の側に目を向けて支えることが大切です。
Aさんは、間食をやめ、茶碗を小さくしてご飯を1杯に減らすという行動を自分で工夫して続けていますが、歩数の目標が達成できず体重も変わらないことから、自分はだめだと否定的になっています。自分で考えてご飯の量を減らせていることをすばらしいと伝える対応は、できている行動を具体的に認め、自己効力感を高めて継続を後押しするもので、最も適切です。ほかの対応は、結果や達成できなかった目標、運動の効果に話を向けており、できている行動を認めるものではありません。
行動の継続の支援では、結果よりも本人ができている行動を具体的に認める言葉を選ぶ、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「体重は増えていませんね」:体重が増えていないことを伝えても、体重が減らないことを気にしているAさんには慰めにとどまり、自分はだめだという思いは和らぎにくいです。本人が工夫して続けている行動そのものを認める言葉が求められます。
- 2「目標値を6,000歩に下げてみましょうか」:歩数の目標の見直しは検討の余地がありますが、保健師が先に下げようと提案すると、達成できなかったことを強調する形になります。目標の調整は、本人の考えを聞いて一緒に決めるものです。
- 3「運動もすることで病気の予防やストレスの解消にも有効です」:運動の効果を説明する言葉は正しい情報ですが、歩けていない自分を責めているAさんには、さらに歩く必要を迫るように受け取られかねません。気持ちに寄り添い、できていることを認める対応が先です。
出典:第111回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問37(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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