平成24年度 春期 (特別措置試験) 問37
システム監査
M氏のシステム監査報告書の提出先
X 社の社長である A 氏は,新たに構築した自社の情報システムの信頼性や安全性などを確認するために,監査人の M 氏にシステム監査を依頼した。監査終了後,M 氏のシステム監査報告書の提出先として,適切なものはどれか。
- アX 社の監督官庁
- イX 社の被監査部門の部門長
- ウ監査の依頼者である A 氏
- エ被監査部門と利害関係のない第三者
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✓ これが正解ウ監査の依頼者である A 氏
解説
報告書は、監査を頼んだ当の人の手元へ戻すのが筋です。
システム監査は、頼まれて行う仕事です。設問では社長が依頼し、外部の監査人が引き受けました。調べた結果をまとめた報告書は、依頼した当人へ提出します。依頼者である社長を挙げた肢が、これに当たります。理由は、報告を受けて手を打てる立場にあるのが依頼者だからです。指摘された部門へ直に渡せば、都合の悪い内容は伏せられかねません。監査人は独立を保ち、指摘の相手に気を遣いません。受け取る先も、指摘される側から離れている必要があります。受け取った依頼者が、改善を指示し、後で確かめます。監査人自身が直しに手を出せば、立場が崩れます。外に出すかどうかを決めるのも、報告を受けた依頼者の判断でした。調べる相手と、渡す相手を混同しないことが要点です。シラバスも、監査人と監査基準を用語として挙げています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アX 社の監督官庁:監督する立場の官庁へ提出すると述べた肢のほうです。法で義務づけられた検査であれば、そうした形もあります。ただし設問は、社長が自ら依頼して行われた監査でした。社内の求めで行った以上、外の役所へ出すものではありません。
- イX 社の被監査部門の部門長:調べられた側の部門長へ渡すというのが、この肢です。現場に近いぶん、直しは早く進むように見えるかもしれません。ところが、不利な指摘を握りつぶす余地が生まれてしまいます。報告の道筋は、指摘される側を通さないよう作ります。
- エ被監査部門と利害関係のない第三者:利害の関わりが無い第三者へ提出すると述べた肢のほうです。公正さを保つ工夫のように読めるかもしれません。しかし監査の中身には、社外へ出せない事柄が数多く含まれます。頼んでもいない人へ渡すべき道理も、そもそもありません。
この問題の用語
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 信頼性意図した動きと実際の結果が食い違わない度合い。情報セキュリティでは一貫しているという特性、機器ではRASISのRとして壊れにくさを指します。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 被監査部門監査を受ける側の部門のことです。求められた調査には応じますが、存在しない証憑を作ったり、監査の項目を自分で決めたりはしません。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問37
同じ用語が出る問題
- 令和8年度 問51:監査意見を検討するプロセス(システム監査)
- 令和7年度 問52:システム監査を行う監査人(監査人)
- 令和6年度 問42:システム監査人の役割(監査報告書)
- 平成30年度 春期 (特別措置試験) 問42:システム監査に関する問題(被監査部門)
- 平成29年度 秋期 (特別措置試験) 問50:被監査部門が実施するもの(被監査部門)
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