第36回 問題102
生活支援技術
Mさん(98歳,男性,要介護5)は,介護老人福祉施設に入所している。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返し,医師からは終末期が近い状態であるといわれている。
介護福祉職が確認すべきこととして,最も優先度の高いものを1つ選びなさい。
- 1主治医の今後の見通し
- 2誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の発症時の入院先
- 3経口摂取に対する本人の意向
- 4経口摂取に対する家族の意向
- 5延命治療に対する家族の希望
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✓ これが正解3経口摂取に対する本人の意向
解説
経口摂取について、Mさん本人の意向を最優先で確認します。
事例の決め手は、Mさんが誤嚥性肺炎で入退院を繰り返し、医師から終末期が近い状態だと言われていることです。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺に炎症が起きる病気で、口から食べることと深く関わります。終末期の介護では、残された時間を本人がどのように過ごしたいかを尊重することが何より大切です。
そのため、介護福祉職がまず確認すべきなのは、口から食べること(経口摂取)について、Mさん本人がどう望んでいるかです。誤嚥の危険があっても好きなものを少しでも口から味わいたいのか、別の方法を望むのかによって、介護の内容は大きく変わります。本人の意向を中心に置き、医師や看護師、家族と話し合って支援の方針を決めていきます。
主治医の見通しや家族の意向も大切な情報ですが、終末期の意思決定では、まず本人の意向を確かめ、本人が意思を示せないときに家族の意向などから本人の思いを推し量ります。
見分け方として、終末期の事例で最優先を問われたら、本人の意向を確かめる選択肢を軸に考えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1主治医の今後の見通し:主治医の見通しは今後の介護を考えるうえで必要な情報ですが、どのような最期を迎えたいかを決めるのは本人です。医師の判断より先に、Mさん自身の望みを確かめることが優先されます。
- 2誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の発症時の入院先:入院先は、誤嚥性肺炎を起こしたときの手続きに関わる事柄で、終末期が近いMさんの日々の介護の方向を決める情報ではありません。介護福祉職が最優先で確かめることとはいえません。
- 4経口摂取に対する家族の意向:家族の思いを知ることも大切ですが、口から食べるかどうかは、まずMさん本人の望みを確かめるべき事柄です。家族の意向は、本人が意思を示せない場合などに本人の思いを推し量る手がかりになります。
- 5延命治療に対する家族の希望:延命治療をどうするかは医療の方針に関わることで、家族の希望だけで決めるものではありません。本人の意向より家族の希望を先に確かめる点でも、介護福祉職が最優先で確認することとして適切ではありません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題102。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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