第37回 問題42
認知症の理解
次の記述のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の特徴として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1近時記憶(新しい記憶)の障害は,初期から始まる。
- 2特徴的な症状として幻視がある。
- 3脳にアミロイドβが沈着し始めると,すぐに発症する。
- 4歩行障害が多く現れるのは,初期の段階である。
- 5嚥下障害が多く現れるのは,初期の段階である。
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✓ これが正解1近時記憶(新しい記憶)の障害は,初期から始まる。
解説
アルツハイマー型認知症では、近時記憶の障害が初期から始まります。
アルツハイマー型認知症は、認知症の原因として最も多い病気です。脳にアミロイドβなどのたんぱく質がたまり、神経細胞が少しずつ壊れていくことで、ゆっくりと進行します。特に記憶に関わる海馬のあたりから萎縮が始まるのが特徴です。
そのため、初期から目立つのは、近時記憶、つまり新しく経験したことを覚えておく力の障害です。少し前に話したことや、食事をしたこと自体を忘れるといった様子がみられます。一方、昔の出来事の記憶は比較的保たれます。したがって、近時記憶の障害は初期から始まるという記述が適切です。
ほかの記述を見ると、はっきりとした幻視が特徴的にみられるのは、レビー小体型認知症です。アミロイドβは発症のかなり前から長い年月をかけて脳にたまり始めるとされ、たまり始めてすぐに発症するわけではありません。歩行障害や嚥下障害は、アルツハイマー型認知症では病気が進んだ段階で目立つようになる症状で、初期の段階で多く現れるものではありません。
アルツハイマー型は記憶障害から始まりゆっくり進む、レビー小体型は幻視、と認知症の種類ごとの代表的な初期症状をセットで覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2特徴的な症状として幻視がある。:ありありとした幻が見える幻視は、レビー小体型認知症で特徴的にみられる症状です。アルツハイマー型認知症を見分ける代表的な症状とはいえません。
- 3脳にアミロイドβが沈着し始めると,すぐに発症する。:原因とされるたんぱく質の蓄積は、もの忘れなどの症状が表れる何年も前から静かに進むと考えられています。蓄積が始まった時点ですぐに発病するという理解は誤りです。
- 4歩行障害が多く現れるのは,初期の段階である。:アルツハイマー型認知症で歩く力が大きく落ちるのは、病気がかなり進んでからです。初期から歩行の障害が目立つ場合は、ほかの種類の認知症などを考えます。
- 5嚥下障害が多く現れるのは,初期の段階である。:飲み込みの障害は、アルツハイマー型認知症が進んで末期に近づいた段階でよくみられます。初期の段階で多く現れる症状ではありません。
出典:第37回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題42。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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