第37回 問題93
生活支援技術
次の記述のうち,下肢筋力が低下して介護を必要とする人の入浴に適した環境として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1浴室の入口は開き戸にする。
- 2床から浴槽の縁までの高さは20cmにする。
- 3縦に長く,浅めの洋式の浴槽にする。
- 4浴槽の縁の幅は20cmにする。
- 5浴槽への出入りのために,水平および垂直の手すりを設置する。
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✓ これが正解5浴槽への出入りのために,水平および垂直の手すりを設置する。
解説
水平と垂直の手すりがあると、浴槽の出入りの各動作を支えられます。
下肢筋力が低下した人は、立ち上がりや片脚立ち、浴槽をまたぐ動作が不安定になりがちです。入浴の環境は、出入りや移動のときに体を支えられること、またぐ動作や体の沈み込みを小さくすることを軸に考えます。
記述を見ると、開き戸は開け閉めのたびに体を前後に動かす必要があり、ふらつきやすい人には負担です。縁までの高さが20cmと低いと、縁に腰かけて脚を入れる方法がとりにくく、浴槽の底へ深くしゃがみ込む動きも大きくなります。縦に長く浅い洋式の浴槽は、中で体が滑って沈み込みやすくなります。縁の幅も、広すぎると手でつかみにくくなります。
浴槽への出入りでは、立ち上がる、またぐ、しゃがむといった動きが続きます。水平の手すりは体を支えたり横へ移ったりするときに、垂直の手すりは立ち上がりや姿勢を保つときに役立ちます。両方を組み合わせて設置すると、筋力が弱い人でも一つひとつの動作を安定させられます。したがって、水平および垂直の手すりを設置する環境が最も適切です。入浴環境の問いでは、どの動作のときに体を支えられるかで考えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1浴室の入口は開き戸にする。:開き戸は、扉を開け閉めするたびに体を前後に動かす必要があり、ふらつきやすい人には負担になります。浴室の入口には、少ない動きで開けられる引き戸などが向いています。
- 2床から浴槽の縁までの高さは20cmにする。:縁までの高さが20cmでは、縁に腰かけて片脚ずつ浴槽に入れる方法がとりにくくなります。シャワーチェアなどの座面と同じくらいの高さにすると、座ったまま出入りしやすくなります。
- 3縦に長く,浅めの洋式の浴槽にする。:縦に長くて浅い浴槽では、足が向こう側の壁に届かず、浮力で体が滑って沈み込みやすくなります。筋力が弱い人には、足で踏ん張れる長さの浴槽が向いています。
- 4浴槽の縁の幅は20cmにする。:縁の幅が20cmもあると、浴槽をまたぐ距離が長くなり、手で縁をしっかりつかむことも難しくなります。幅を広げることは、出入りの安全にはつながりにくい工夫です。
出典:第37回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題93。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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