第37回 問題94
生活支援技術
次の記述のうち,体調不良で入浴できない片麻痺の利用者に対して,ベッド上で行う全身清拭の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1清拭時は,窓を開けて行う。
- 2洗面器には,40℃程度のお湯を準備する。
- 3最初に,腹部から清拭する。
- 4背部は,患側を下にした側臥位にして拭く。
- 5蒸しタオルで拭いた後は,乾いたタオルで水分を拭き取る。
答えと解説を見る
✓ これが正解5蒸しタオルで拭いた後は,乾いたタオルで水分を拭き取る。
解説
拭いた後すぐに乾いたタオルで水分を取ると、体が冷えるのを防げます。
全身清拭は、入浴できないときに体を拭いて清潔を保つ方法です。判断の軸は、体を冷やさないこと、皮膚への負担を少なくすること、麻痺のある側(患側)を守ることの3点です。体が濡れたまま空気にさらされると、水分が蒸発するときに体の熱が奪われ、体が冷えてしまいます。
記述を見ると、窓を開けると室温が下がり、肌を出している利用者が冷えます。洗面器のお湯は、タオルを絞って当てるまでに冷めるので、40℃程度では足りず、もっと熱めに用意するのが一般的です。拭く順番は一般に顔から始めて陰部を最後にします。背部を拭くときは健側を下にした側臥位にし、麻痺のある側を下にして圧迫しないようにします。
蒸しタオルで拭いたあと、すぐに乾いたタオルで水分を拭き取れば、気化熱で体温が奪われるのを防げます。皮膚が湿ったままになるのも防げるので、清拭後の不快感も減ります。したがって、乾いたタオルで水分を拭き取る方法が最も適切です。清拭は、部屋を温める、拭いたらすぐ乾かす、健側を下にする、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1清拭時は,窓を開けて行う。:外の空気が入ると部屋の温度が下がり、衣服を脱いでいる人は寒さを感じます。清拭の前には窓や扉を閉めて、あらかじめ室内を暖めておきます。
- 2洗面器には,40℃程度のお湯を準備する。:洗面器のお湯は、タオルを浸して絞り、体に当てるまでの間に温度が下がります。40℃程度で用意すると肌に当たるころには冷たく感じられるので、もっと熱めのお湯を準備します。
- 3最初に,腹部から清拭する。:清拭は一般に顔から始め、上肢、胸腹部、下肢、背部と進めて陰部を最後にし、きれいな部位から汚れやすい部位へと拭きます。最初に腹部から始める方法は、この順序に合いません。
- 4背部は,患側を下にした側臥位にして拭く。:患側を下にした側臥位では、麻痺のある側に体の重みがかかり、圧迫や痛み、関節の傷みにつながります。背部を拭くときは健側を下にして横向きになってもらいます。
出典:第37回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題94。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)