第38回 問題20
社会の理解
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,自宅で一人暮らしをしている。外出機会が少ないAさんを心配して,民生委員が定期的に見守りを行っている。ある日,民生委員から地域包括支援センターに,「Aさんのように,家に閉じこもりがちな要介護者が増えている。民生委員だけでは十分な見守りができない」と相談があった。
次の記述のうち,地域包括支援センターの職員の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。
- 2介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。
- 3フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。
- 4地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
- 5要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。
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✓ これが正解4地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
解説
地域ケア会議で、関係者と地域の課題について話し合います。
決め手は、民生委員の相談が、Aさん個人の困りごとにとどまらず、Aさんのように閉じこもりがちな要介護者が増えていて民生委員だけでは見守りが足りないという、地域全体の課題を伝えている点です。
介護保険法第115条の48は、市町村は、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者などで構成される会議を置くよう努めなければならないと定めています。これが地域ケア会議で、個別の事例の検討を通して地域に共通する課題を見つけ、見守りの体制など地域の支援体制を話し合う場です。地域包括支援センターが地域ケア会議で関係者と地域課題について話し合うという対応が適切です。
本人の来所を待つ、ケアプランを作る、民生委員のかかわりを制限する、介護保険審査会を設置するという対応は、相談の中身や機関の役割と合いません。一人の課題は個別支援で、多くの人に共通する課題は地域ケア会議で地域づくりへ、と課題の広がりで対応を分けて考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。:地域包括支援センターの総合相談は、本人だけでなく、家族や民生委員、近所の人などからの相談も受け付けます。本人の来所を原則とする決まりはなく、Aさんに来所を促すのは相談の趣旨とずれています。
- 2介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。:民生委員が伝えているのは、閉じこもりがちな要介護者が増えているという地域全体の課題です。要介護者のケアプランは本来、居宅介護支援事業所が作成するもので、一人分の計画では見守り体制の不足は解決しません。
- 3フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。:民生委員による見守りは、地域の大切なインフォーマルな支えです。フォーマルなサービスを優先して民生委員のかかわりを減らすのではなく、両方を組み合わせて見守りの体制を広げることが求められます。
- 5要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。:介護保険審査会は、要介護認定などの処分に不服がある場合の審査請求を扱う機関で、介護保険法により各都道府県に置かれます。地域の実態を把握するために地域包括支援センターが設置するものではありません。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題20。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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