第38回 問題19
社会の理解
障害者虐待防止に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。
- 2著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。
- 3使用者による障害者虐待は含まれない。
- 4行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。
- 5虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
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✓ これが正解5虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
解説
施設従事者が虐待を通報しても、守秘義務違反にはなりません。
この問は、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)の条文で判断します。この法律は障害者虐待を、養護者による虐待、障害者福祉施設従事者等による虐待、使用者による虐待の3つに分けて定めています。
同法第16条第3項は、刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、施設従事者等による虐待の通報(虚偽であるもの及び過失によるものを除く)をすることを妨げるものと解釈してはならないと定めています。第4項では、通報したことを理由に解雇などの不利益な取扱いを受けないことも定めています。虐待を発見した施設従事者が通報しても守秘義務違反にはならないという記述が適切です。
養護者による虐待の通報先、著しく拒絶的な対応の分類、使用者による虐待の扱い、行政による立入調査についての記述は、いずれも法律の定めと合いません。障害者虐待は3つの主体、養護者と施設従事者等による虐待の通報先は市町村、通報は守秘義務に妨げられない、の3点を組にして覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。:障害者虐待防止法第7条により、養護者による虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに市町村に通報しなければなりません。通報先は都道府県ではなく、身近な市町村です。
- 2著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。:障害者に対する著しい暴言や著しく拒絶的な対応は、障害者に著しい心理的外傷を与える言動として、心理的虐待に分類されます。身体的虐待は、暴行や正当な理由のない身体の拘束を指します。
- 3使用者による障害者虐待は含まれない。:障害者虐待防止法は、養護者や障害者福祉施設従事者等と並んで、障害者を雇用する事業主などの使用者による障害者虐待も対象にしています。使用者による虐待が含まれないという記述は誤りです。
- 4行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。:行政には、虐待の事実を確かめるために立ち入って調査する権限が、障害者虐待防止法や障害者総合支援法などの規定に基づいて与えられています。立入調査が許されていないという記述は誤りです。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題19。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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