第38回 問題43
生活支援技術
次のうち,右片麻痺の利用者が前開きの上着を着脱するときに介護福祉職が行う説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
- 2「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
- 3「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
- 4「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
- 5「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
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✓ これが正解5「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
解説
右片麻痺の上着は、麻痺側の右袖を肩まで通してから左袖を通します。
片麻痺のある人の衣服の着脱は、脱健着患(だっけんちゃっかん)という原則で考えます。脱ぐときは動かしやすい健側(麻痺のない側)から、着るときは動かしにくい患側(麻痺のある側)から行うという意味です。この問では右が患側、左が健側にあたります。
脱ぐ場面の2つの説明は、どちらも右側の袖から先に腕を抜かせる形で、原則と逆の順になっています。上着を腿の上に置く説明は準備の段取りだけで、どちらの腕から通すかという要点を伝えていません。着る場面のうち、右袖を肘までで止める説明は、患側の袖の通し方が不十分です。
正しいのは、患側の右袖を肩までしっかり通してから、健側の左袖を通すよう説明するものです。麻痺側の肩まで先に衣服をかけておくと、健側の腕を後ろへ回して袖を探すときにゆとりが生まれ、麻痺側の肩や腕に無理な力がかかりません。
覚え方は、脱ぐのは健側から、着るのは患側からで、患側の袖は肩まで入れてから反対側に移る、と押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」:最初に袖から抜くのは、自分で動かせる健側の腕です。この説明は麻痺のある右腕を先に抜かせようとしており、動かしにくい腕を無理に曲げることになります。左腕を先に抜けば、右袖は後から楽に外せます。
- 2「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」:右肩の衣服を少しずらしておく段取り自体は役に立つ場合がありますが、続けて右側の袖から腕を抜くのでは患側から脱ぐことになります。肩をずらした後は健側の左腕を先に抜き、最後に右腕から袖を外します。
- 3「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」:上着をどう置くかという準備だけを述べた説明で、着るときにどちらの腕から袖を通すかという肝心の順序に触れていません。介護福祉職の説明としては、患側の腕から袖を通すことを伝えることが大切です。
- 4「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」:右袖を肘までしか通さないまま左袖に移ると、左腕を背中側へ回したときに上着が引っ張られ、右袖が肘から抜けたり右肩に引きつれが起きたりします。患側の袖は肩口まで上げてから反対側へ進めます。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題43。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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