第112回 午後 問44
成人看護学
しびれの原因として考えられるの
仰臥位で手術を受けた患者が術後に上肢の薬指と小指のしびれを訴えた。しびれの原因として考えられるのはどれか。
- 1頸部の伸展
- 2前腕の回内
- 3肩関節の内旋
- 4肘関節の伸展
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✓ これが正解3肩関節の内旋
解説
仰臥位で肩関節が内旋すると尺骨神経が圧迫されます。
手術中は麻酔で痛みを感じず、自分で姿勢を変えられないため、同じ姿勢で神経が長時間押されたり引き伸ばされたりして、術後にしびれや麻痺が残ることがあります。どの神経が障害されたかは、しびれの出る場所から考えます。
薬指と小指(とくに小指側半分)のしびれは、尺骨神経の支配する範囲です。尺骨神経は、肘の内側にある上腕骨の出っ張り(内側上顆)の後ろの溝を、皮膚のすぐ下で通っています。仰臥位で腕を体の横や台の上に置いたとき、肩関節が内側にねじれる(内旋する)と、肘の内側が下を向いて手術台や腕台に押しつけられ、この溝の中の尺骨神経が圧迫されます。そのため術中は、肩が内旋しないよう腕の向きに気をつけ、肘の内側に当て物をして圧迫を防ぎます。
首を反らす頸部の伸展、前腕のねじり、肘を伸ばした姿勢は、肘の内側を台に押しつけて尺骨神経を圧迫するしびれの説明としては合いません。したがって考えられる原因は肩関節の内旋です。覚え方: 薬指・小指=尺骨神経=肘の内側、肘の内側を下に向ける肩の内旋に注意、と場所をつないで覚えます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1頸部の伸展:首を反らす姿勢は肘から離れた首の動きで、肘の内側の溝にある尺骨神経を台に押しつける原因になりません。薬指と小指だけにしびれが限られる説明にもなりません。
- 2前腕の回内:前腕の回内は、橈骨が尺骨のまわりを回る動きで、尺骨と上腕骨の位置はほとんど変わりません。肘の内側の溝がどちらを向くかを決めるのは主に肩の回旋で、前腕のねじりは神経を台に押しつける直接の原因になりにくい動きです。
- 4肘関節の伸展:肘を伸ばした姿勢では、肘の内側の溝にある尺骨神経が引き伸ばされにくく、深く曲げたときより負担は小さくなります。しびれの原因としては考えにくい姿勢です。
出典:第112回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問44(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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