第113回 午前 問79
疾病の成り立ちと回復の促進
偽腔が形成される大動脈壁の部位
大動脈解離で真腔と偽腔(解離腔)が形成される。偽腔が形成される大動脈壁の部位はどれか。
- 1外膜
- 2外膜と中膜の間
- 3中膜
- 4中膜と内膜の間
- 5内膜
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✓ これが正解3中膜
解説
大動脈解離の偽腔は、大動脈壁の中膜が裂けてできます。
大動脈解離の病態を、大動脈の壁の構造と結び付けて問う問題です。大動脈の壁は、内側から内膜、中膜、外膜の3層からなります。中膜は弾性線維と平滑筋が何層にも重なった厚い層で、大動脈の弾力を生んでいます。
大動脈解離は、内膜に裂け目(エントリー)ができ、そこから血液が勢いよく中膜の中に流れ込み、中膜が内側と外側の2層に引き裂かれて広がっていく病気です。こうしてできた新しい血液の通り道を偽腔(解離腔)といい、本来の血管の内腔を真腔といいます。偽腔は中膜の層の中にできるので、偽腔が形成される部位は中膜です。偽腔の外側の壁は薄くなるため破裂しやすく、また偽腔が枝分かれする動脈をふさぐと、その先の臓器に血液が届かなくなります。
内膜が裂け目の入口、中膜が裂ける場所、外膜は破裂を防ぐ最後の壁、と3層の役割をつなげて覚えておくと、解離の問題を整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1外膜:外膜は大動脈壁の一番外側の層で、偽腔の外壁として残る部分です。外膜まで裂けると血管の外へ出血する破裂の状態となり、解離腔の形成とは別の段階です。
- 2外膜と中膜の間:外膜と中膜の境目を血液が裂いて進むわけではありません。解離は中膜の層の内部が2枚に裂けることで起こり、偽腔は中膜の中にできると説明されます。
- 4中膜と内膜の間:内膜と中膜の境目に血液が入り込んで層を分けるのではなく、内膜の裂け目から入った血液は中膜の内部を引き裂いて進みます。偽腔の位置は中膜の中です。
- 5内膜:内膜は解離の入口となる裂け目ができる層で、偽腔そのものが内膜の中にできるわけではありません。裂け目から入った血液は、その外側の中膜を裂いて偽腔をつくります。
出典:第113回 看護師国家試験 午前(厚生労働省)問79(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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