第113回 午前 問80
疾病の成り立ちと回復の促進
甲状腺クリーゼに関する問題
甲状腺クリーゼについて正しいのはどれか。
- 1低体温となる。
- 2致死率は2%以下である。
- 3誘因として感染症が多い。
- 4初期症状として徐脈を認める。
- 5甲状腺ホルモンの欠乏症である。
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✓ これが正解3誘因として感染症が多い。
解説
甲状腺クリーゼは感染症などを誘因に甲状腺中毒症が急激に悪化した状態です。
甲状腺クリーゼの病態を問う問題です。甲状腺クリーゼは、バセドウ病などで甲状腺ホルモンが過剰な状態(甲状腺中毒症)にある人が、何らかのきっかけで急激に悪化し、複数の臓器の働きが破綻した状態です。命に関わる緊急の病態です。
誘因としては、感染症が最も多いとされ、そのほかに手術、外傷、抗甲状腺薬の急な中断、強い精神的ストレス、出産などがあげられます。症状は、甲状腺ホルモンの過剰な作用が極端に強まったものと考えると理解できます。38℃を超える高熱、著しい頻脈や心房細動、心不全、意識障害や興奮などの中枢神経症状、下痢や嘔吐、黄疸などの消化器症状がみられます。治療が進んだ現在でも死亡する例が少なくありません。よって、誘因として感染症が多いという記述が正しいです。
甲状腺クリーゼは、甲状腺ホルモンの作用である代謝の亢進と交感神経の興奮が最大限になった状態と考えると、高熱、頻脈という症状の向きを間違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1低体温となる。:甲状腺クリーゼでは、甲状腺ホルモンの過剰な作用で代謝が極端に高まり、38℃を超える高熱がみられるのが特徴です。体温は下がるのではなく上がる方向に変化します。
- 2致死率は2%以下である。:甲状腺クリーゼは治療を尽くしても死亡する例が少なくない重い病態で、致死率は2%以下という低い値ではありません。命に関わる緊急事態として扱います。
- 4初期症状として徐脈を認める。:甲状腺ホルモンは心臓の拍動を速める方向に働くため、甲状腺クリーゼでは著しい頻脈や心房細動がみられます。脈が遅くなる徐脈は、ホルモンが不足した状態の特徴です。
- 5甲状腺ホルモンの欠乏症である。:甲状腺クリーゼは甲状腺ホルモンが過剰な甲状腺中毒症が急激に悪化した状態です。ホルモンの欠乏で重症化した状態は粘液水腫性昏睡と呼ばれ、正反対の病態です。
出典:第113回 看護師国家試験 午前(厚生労働省)問80(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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