第113回 午前 問114
精神看護学
ストレスに関する問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(22歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたAさんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害と診断された。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。クリニックに通院し半年が経過した。現在、Aさんは無職である。Aさんは仕事が長続きしないことで将来への不安が強く、自身の適性にあった職場を探したいと希望している。外来看護師は主治医とも相談し、Aさんに就労移行支援のサービスについて伝えることにした。就労移行支援を利用し、Aさんは仕事を始めたが、苦手な仕事内容が多く、失敗が続いているため同僚から注意を受け続けている。外来看護師は、Aさんから「毎日が憂うつでつらい。ストレスが溜まるのでどうしたらよいか」と相談を受けた。Aさんへの対応で適切なのはどれか。
- 1仕事に慣れるまで待つように説明する。
- 2憂うつな気分について詳しく話してもらう。
- 3職場の同僚とうまく付き合う方法を考えてもらう。
- 4外来看護師が行っているストレス発散方法を指導する。
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✓ これが正解2憂うつな気分について詳しく話してもらう。
解説
まず憂うつな気分について詳しく話してもらい、状態をアセスメントします。
職場でのストレスを訴える人への、最初の関わりを問う問題です。Aさんは仕事を始めましたが、苦手な仕事が多く、失敗が続いて同僚から注意を受け続けており、毎日が憂うつでつらい、ストレスがたまるのでどうしたらよいか、と相談しています。
この場面で最初に必要なのは、Aさんの今の状態を正しく知ることです。憂うつな気分がいつから、どのくらい強く続いているのか、眠れているか、食欲はあるか、仕事のどんな場面がつらいのかなどを、Aさん自身の言葉で詳しく話してもらいます。そうすることで、うつ状態など専門的な対応が必要な状態かどうかを判断でき、Aさんに合った具体的な対処を一緒に考えることができます。話を聴いてもらうこと自体が、Aさんの気持ちの支えにもなります。よって、憂うつな気分について詳しく話してもらう対応が適切です。
つらさの相談を受けたときは、助言や指導を急ぐ前に、まず相手の状態を詳しく聴いてアセスメントする、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1仕事に慣れるまで待つように説明する。:Aさんはすでに毎日が憂うつでつらいと訴えており、慣れるまで待つよう伝えると、つらさを放っておくことになります。状態が悪化して、うつ状態が進むおそれもあります。
- 3職場の同僚とうまく付き合う方法を考えてもらう。:自閉症スペクトラム障害のあるAさんにとって、人との付き合い方を自分で考えることは特に苦手な課題です。相談に来たばかりの段階で負担の大きい課題を課すと、さらに追い詰めることになります。
- 4外来看護師が行っているストレス発散方法を指導する。:ストレスの発散方法は人によって合うものが違い、看護師のやり方がAさんに合うとは限りません。Aさんの状態や好みを知る前に、看護師の方法を一方的に教えるのは順序が逆です。
出典:第113回 看護師国家試験 午前(厚生労働省)問114(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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