第114回 午後 問38
疾病の成り立ちと回復の促進
経口薬と飲料の関係で正しいのはどれか。
- 1テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳によって作用が減弱される。
- 2非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料によって吸収速度が速まる。
- 3テオフィリンは、カフェインを含む飲料によって作用が減弱される。
- 4カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースによって作用が減弱される。
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✓ これが正解1テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳によって作用が減弱される。
解説
テトラサイクリン系は牛乳のカルシウムと結合し効果が弱まります。
薬の効果は、一緒にとる飲み物や食べ物によって弱まったり強まったりすることがあり、これを薬物と飲食物の相互作用といいます。服薬指導では、どの薬にどの飲み物が影響するか、作用が強まるのか弱まるのかを区別して伝えます。
テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳に多く含まれるカルシウムと結びついて溶けにくい複合体(キレート)をつくり、腸から吸収されにくくなります。そのため牛乳と一緒に飲むと作用が減弱します。テオフィリンはカフェインと似た構造をもつ気管支拡張薬で、カフェインを含む飲料と一緒にとると作用が重なり、動悸や吐き気などの副作用が出やすくなります。つまり作用は弱まるのではなく強まる方向です。カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースの成分が薬を分解する酵素の働きを妨げるため血中濃度が上がり、作用が増強します。非ステロイド性抗炎症薬と炭酸飲料の組み合わせで吸収が速まるという関係は、代表的な相互作用としては扱われていません。
したがってテトラサイクリン系抗菌薬は牛乳によって作用が減弱されるが正解です。牛乳とテトラサイクリンは弱まる、グレープフルーツとカルシウム拮抗薬は強まる、と向きをセットで覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料によって吸収速度が速まる。:炭酸飲料が非ステロイド性抗炎症薬の吸収の速さを変えるという組み合わせは、服薬指導で取り上げられる代表的な相互作用ではありません。記述の根拠となる関係が見当たりません。
- 3テオフィリンは、カフェインを含む飲料によって作用が減弱される。:テオフィリンとカフェインはどちらもキサンチン誘導体で、似た働きを持っています。一緒にとると効き目や副作用が重なって強く出るため、減弱という記述は向きが逆です。
- 4カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースによって作用が減弱される。:グレープフルーツの成分は、小腸で薬を分解する酵素を妨げ、カルシウム拮抗薬の血中濃度を高めます。その結果、血圧が下がりすぎるなど作用は強まるので、減弱は誤りです。
出典:第114回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問38(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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