第58回 午前 問16
理学療法評価学
FIMの移乗動作
80歳の女性。左片麻痺。夫と自宅で2人暮らし。ベッドから車椅子への移乗は夫に手を添えてもらう程度で可能だが、車椅子からベッドへの移乗では立ち上がる際に腰を引き上げてもらう。FIMの移乗動作は何点か。
- 16点
- 25点
- 34点
- 43点
- 52点
答えと解説を見る
✓ これが正解43点
解説
移乗は低い方で採点し、腰を引き上げる介助は中等度介助の3点です。
FIM(機能的自立度評価法)の移乗は、ベッドと車椅子の間の行き来を、往路と復路の両方で評価し、点数の低い方を採点します。点数は、介助者が手を触れずに見守るだけなら5点、手を添える程度の最小介助なら4点、患者が全体の半分から4分の3未満を行い介助者が残りを補う中等度介助なら3点、というように介助の量で決まります。
この患者は、ベッドから車椅子への移乗では夫に手を添えてもらう程度で、ここは最小介助の4点にあたります。一方、車椅子からベッドへの移乗では、立ち上がる際に腰を引き上げてもらっています。体を持ち上げる力を介助者がかなり担っているので、中等度介助の3点と考えます。低い方を採るので、移乗の点数は3点です。
FIMの移乗は往復の低い方、手を触れるだけなら4点、体を持ち上げてもらうと3点以下、という区切りを押さえると、症例文から点数を判定しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 16点:6点は修正自立で、補助具や時間がかかっても介助者がいらない状態です。この患者は移乗のたびに夫の手を借りているので、介助なしの段階には当たりません。
- 25点:5点は見守りや準備だけで、介助者が体に触れずにすむ状態です。この患者は手を添えてもらったり腰を引き上げてもらったりしており、身体の接触を伴う介助が必要です。
- 34点:4点は手を添える程度の最小介助で、ベッドから車椅子への移乗だけをみればこの点数です。しかし反対向きの移乗では腰を持ち上げてもらっており、低い方の点数を採る決まりに合いません。
- 52点:2点は患者自身が行う部分が全体の半分に満たない最大介助です。この患者は腰を引き上げてもらう以外は自分で動作を進めており、そこまで重い介助量ではありません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問16(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)