第58回 午後 問84
臨床医学
痙縮が出現し得るの
痙縮が出現し得るのはどれか。
- 1筋強直性ジストロフィー
- 2Guillain-Barré症候群
- 3多発性筋炎
- 4多発性硬化症
- 5腕神経叢麻痺
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✓ これが正解4多発性硬化症
解説
多発性硬化症は中枢神経の病気で、上位運動ニューロン障害の痙縮が出ます。
痙縮は、筋を速く伸ばすほど強い抵抗が生じる状態で、脳や脊髄の運動の経路(上位運動ニューロン、錐体路)が障害されたときに現れます。この問は、病変が中枢神経にあるのか、末梢神経や筋にあるのかを見分けられるかで判断します。
多発性硬化症は、脳や脊髄の神経線維を包む髄鞘が壊れる脱髄疾患で、病変が中枢神経のあちこちに生じます。脊髄や脳の錐体路が障害されると、痙縮や腱反射の亢進、Babinski反射などが現れます。痙縮が出現し得るのは多発性硬化症です。
筋強直性ジストロフィーと多発性筋炎は筋そのものの病気、Guillain-Barre症候群は末梢神経の病気、腕神経叢麻痺は腕へ向かう末梢神経の束の障害です。いずれも上位運動ニューロンは保たれているため、痙縮は起こりません。病変が中枢なら痙性、末梢や筋なら弛緩性または筋の症状、と場所で分けて考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1筋強直性ジストロフィー:筋強直性ジストロフィーは筋の病気で、握った手をすぐに開けない筋強直(ミオトニア)が特徴です。中枢の運動の経路は保たれるため、痙縮は起こりません。
- 2Guillain-Barré症候群:Guillain-Barre症候群は末梢神経の病気で、手足の力が抜け腱反射が弱まる弛緩性の麻痺になります。痙縮とは逆の所見です。
- 3多発性筋炎:多発性筋炎は筋に炎症が起こる病気で、主に近位筋の筋力低下を生じます。病変は筋にあり、上位運動ニューロンの障害による痙縮は生じません。
- 5腕神経叢麻痺:腕神経叢麻痺は首から腕へ向かう末梢神経の束が傷つく障害で、腕の筋の力が抜け反射が低下します。弛緩性の麻痺で、痙縮はみられません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問84(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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