第59回 午前 問16
理学療法治療学
2歳3か月の女児。出生時に頭蓋内出血を合併し脳性麻痺と診断された。現在、四肢の筋緊張は低下し、姿勢や動きの中で両下肢の筋緊張が亢進する。両上肢にアテトーゼ様の動きがありADLは全介助である。両上肢で支持して座位が1分程度は可能である。発達歴は、頸定:10か月、寝返り:1歳2か月、ずり這い:1歳5か月。現時点で最も必要な補装具はどれか。
- 1歩行器
- 2靴型装具
- 3電動車椅子
- 4座位保持装置
- 5普通型車椅子
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✓ これが正解4座位保持装置
解説
座位が不安定な2歳児には、姿勢を支える座位保持装置が最も必要です。
この女児は、アテトーゼ様の不随意運動があり、筋緊張が低いところから動くと下肢の緊張が高まる、変動の大きいタイプの脳性麻痺と考えられます。頸定が10か月、寝返りが1歳2か月と運動発達が遅れ、現在は両手で支えて1分ほど座れる程度で、ADLは全介助です。補装具は、今の運動能力で生活を広げるために何が必要か、という視点で選びます。
座位保持装置は、体幹や骨盤を支えて安定した座った姿勢を保つための補装具です。この女児は、手で支えないと座っていられず、その時間も短いので、座る姿勢を外から支えることで、両手を遊びや食事に使ったり、周りを見て人と関わったりできるようになります。現時点で最も必要な補装具になります。
ほかの補装具は、立つ・歩く・自分で移動を操作する、といった今の能力を超えた段階を前提にしているか、問題の中心ではない部分に対するものです。覚え方は、補装具は今できる姿勢の一つ上を支えるものを選び、座位が不安定なら座位保持装置、と考えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1歩行器:歩行器は、立って体重を支え、ある程度足を交互に出せる子どもの歩行を助ける道具です。この女児はまだ手の支えで短時間座れる段階で、立位や歩行の準備は整っていません。
- 2靴型装具:靴型装具は、足の変形の矯正や立つときの足部の安定を目的とする装具です。この女児はまだ立位をとる段階になく、生活の中心の問題である座位の不安定さには対応しません。
- 3電動車椅子:電動車椅子は、自分でレバーなどを操作して移動する補装具です。両上肢にアテトーゼ様の動きがあり、座位も安定しない2歳児が今すぐ安全に操作するのは難しいと考えられます。
- 5普通型車椅子:普通型車椅子は、座位がある程度安定している人が、自分でこぐか介助で移動するための補装具です。この女児は座る姿勢を自分で保てないため、まず姿勢そのものを支える装置が必要です。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問16(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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