第59回 午後 問23
運動学
内部モデルに関する問題
運動制御における内部モデル形成で重要な役割をもつ中枢神経系はどれか。
- 1小脳
- 2中脳
- 3視床下部
- 4大脳皮質
- 5大脳辺縁系
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✓ これが正解1小脳
解説
運動の誤差から内部モデルを学習・形成するのは小脳です。
内部モデルとは、運動の指令を出したときに体や道具がどう動くかを予測したり、目標の動きに必要な指令を逆算したりするために、脳の中に作られる身体と環境の関係のモデルです。小脳は、大脳皮質から送られる運動の指令の写しと、実際の運動で生じた感覚の情報とを照らし合わせ、そのずれ(誤差)をもとに学習して内部モデルを形成し、修正していくと考えられています。運動制御における内部モデルの形成で重要な役割をもつのは小脳です。
ほかの部位にも運動や行動にかかわる働きはありますが、眼球運動や姿勢の反射の中継、自律機能と内分泌の調節、運動の計画と指令の発出、情動と記憶と、中心となる役割が異なります。運動の指令そのものは大脳皮質から出ますが、誤差から予測の仕組みを作り直す中心は小脳とされます。
小脳は誤差による学習と動きのタイミングの調整を受け持つ、と覚えておくと、運動学習や運動失調の問いにも応用できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2中脳:中脳には眼球運動の神経核や赤核、黒質があり、眼の動きや姿勢の反射などにかかわります。運動の結果のずれから予測の仕組みを学習して作る働きの中心ではなく、この問いの答えには当たりません。
- 3視床下部:視床下部は体温、水分、摂食、睡眠などを調節し、下垂体を通してホルモンの分泌を制御する自律機能の中枢です。運動を制御するためのモデルを作る部位ではありません。
- 4大脳皮質:大脳皮質の運動野は運動を計画し指令を出す部位で、運動学習にもかかわります。ただし、指令と実際の結果とを比べてモデルを直していく役割は小脳が中心とされ、最も重要な部位とはいえません。
- 5大脳辺縁系:帯状回や海馬、扁桃体などからなり、情動や意欲、記憶の形成にかかわる部位です。運動の結果を予測して動きを滑らかにする仕組みは、主にこの部位が担うものではありません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問23(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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