第59回 午後 問38
理学療法治療学
幻肢痛に関する問題
四肢切断後の幻肢痛への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1ミラーセラピーが有用である。
- 2経皮的電気刺激法は禁忌である。
- 3義肢装着練習は幻肢痛を増悪させる。
- 4患者に幻肢痛が残存している部位をイラストで図示させる。
- 5鎮痛薬はプレガバリンよりも非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を優先する。
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✓ これが正解1ミラーセラピーが有用である。
✓ これが正解4患者に幻肢痛が残存している部位をイラストで図示させる。
解説
ミラーセラピーと、痛む部位を図示させる評価が有用です。
幻肢痛は、切断して失った手足がまだあるように感じ(幻肢)、その部分に痛みを感じる状態です。脳の中の体の地図と実際の体とのずれが関係すると考えられています。ミラーセラピーは、鏡に健側の手足を映して、失った側が動いているように見せる方法で、脳に視覚の情報を与えて幻肢痛を和らげる効果が報告されており、有用とされます。また、患者に幻肢痛が残っている部位をイラストで図示させると、痛みの場所や広がりを本人と医療者が共有でき、評価や経過の観察に役立ちます。この2つが正しい対応です。
ほかの肢は、実際の対応と逆の内容です。電気刺激は痛みの治療に試みられる方法の一つで、義肢の使用は痛みの軽減につながるとされ、薬では神経が傷ついたことによる痛みに向けた薬が選ばれます。
幻肢痛には、脳への入力を補う方法と、痛みを見える形にして共有する方法の2つの方向から対応する、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2経皮的電気刺激法は禁忌である。:経皮的電気刺激法は、皮膚の上から電気刺激を加えて痛みの伝わりを抑える方法で、幻肢痛にも試みられる治療法の一つです。幻肢痛があるという理由で禁忌とされる方法ではありません。
- 3義肢装着練習は幻肢痛を増悪させる。:義肢を装着して実際に体を動かすと、失った部分にも感覚や運動の情報が加わり、幻肢痛が和らぐことが多いとされています。装着練習が痛みを増悪させるという記述は、一般的な理解と逆です。
- 5鎮痛薬はプレガバリンよりも非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を優先する。:幻肢痛は神経が傷ついたことによる神経障害性の痛みと考えられ、プレガバリンのような神経障害性疼痛の薬が用いられます。炎症を抑えるNSAIDsは効果が期待しにくく、優先する理由がありません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問38(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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