第59回 午後 問39
理学療法治療学
多発性硬化症に関する問題
寛解期にある多発性硬化症に対する理学療法の禁忌はどれか。
- 1他動的な関節可動域練習
- 2中等度強度の有酸素運動
- 3低強度の筋力増強練習
- 4電気刺激療法
- 5温熱療法
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✓ これが正解5温熱療法
解説
体温上昇で症状が悪化するため、温熱療法が禁忌です。
多発性硬化症は、脳や脊髄の神経線維を包む髄鞘が炎症で壊れる脱髄疾患で、再発と寛解をくり返すことが多い病気です。髄鞘が壊れた神経は体温の上昇に弱く、体が温まると神経の伝導が一時的に悪くなって、視力の低下やしびれ、脱力などの症状が強まります。これをUhthoff現象といいます。そのため、体温を上げる温熱療法は、寛解期であっても理学療法の禁忌とされます。
ほかの肢は、寛解期に体力と機能を保つために用いられる方法です。関節の動きや筋力、持久力を保つ練習は、疲労や体温の上がりすぎに注意しながら行うことができ、電気を使う物理療法も目的に応じて用いられます。
多発性硬化症では熱に注意、と疾患の特徴と結び付けて覚えておくと、運動の強さや室温の管理を考える場面にも応用できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1他動的な関節可動域練習:関節を他動的に動かす練習は、体温をほとんど上げずに関節の動きや筋の柔軟性を保つ方法です。寛解期の多発性硬化症で拘縮を防ぐために用いられ、禁忌には当たりません。
- 2中等度強度の有酸素運動:中等度の強さの有酸素運動は、持久力や生活の活動量を保つのに役立ちます。疲れすぎや体温の上がりすぎに気を付ければ、寛解期の患者に行える運動であり、禁忌ではありません。
- 3低強度の筋力増強練習:低い強度の筋力増強練習は、使わないことによる筋力の低下を防ぐ目的で行われます。負荷が小さく体温への影響も限られるため、寛解期の理学療法として用いることができます。
- 4電気刺激療法:電気刺激療法は、筋の収縮を促したり痛みを和らげたりする目的で用いられる物理療法です。体を温めることを目的とするものではなく、寛解期の多発性硬化症で禁忌とされる方法ではありません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問39(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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