第60回 午前 問54
解剖学
尺骨神経の支配を受けるの
尺骨神経の支配を受けるのはどれか。
- 1長母指屈筋
- 2母指内転筋
- 3第1虫様筋
- 4短母指外転筋
- 5短母指屈筋浅頭
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✓ これが正解2母指内転筋
解説
母指内転筋は、尺骨神経の深枝に支配されます。
手の筋の神経支配は、母指球の筋の多くと第1・第2虫様筋が正中神経、それ以外の手内筋の多くが尺骨神経、と大まかに分けて覚えます。母指内転筋は母指球の近くにありますが、尺骨神経の深枝に支配される筋で、母指を人差し指の側へ引き寄せる働きをします。尺骨神経が麻痺すると、紙を母指と人差し指で挟んだときに母指の指節間関節が曲がるFroment徴候がみられ、これは母指内転筋の筋力低下を長母指屈筋で補うためです。
残りの筋は、いずれも正中神経(またはその枝の前骨間神経)に支配されます。短母指屈筋は二つの頭で支配が分かれ、深頭のほうが尺骨神経です。
したがって、尺骨神経の支配を受けるのは母指内転筋です。母指球の周りでも母指内転筋と短母指屈筋の深頭は尺骨神経、と例外として覚えておくと取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1長母指屈筋:長母指屈筋は前腕の深層にある筋で、母指の指節間関節を曲げます。正中神経から分かれる前骨間神経の支配を受け、尺骨神経の支配ではありません。
- 3第1虫様筋:虫様筋は4つあり、母指側の第1・第2虫様筋は正中神経、小指側の第3・第4虫様筋は尺骨神経に支配されます。第1虫様筋は正中神経の支配です。
- 4短母指外転筋:短母指外転筋は母指球の表層にあり、母指を手のひらから離す方向へ動かす筋です。正中神経に支配されるので、尺骨神経の障害では弱くなりません。
- 5短母指屈筋浅頭:短母指屈筋は二つの頭を持ち、浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経に支配されるのが一般的です。浅頭は尺骨神経の支配には当たりません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問54(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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