第60回 午前 問64
生理学
生理学に関する問題
呼吸の調節機構で正しいのはどれか。
- 1呼吸中枢は視床下部にある。
- 2末梢の化学受容器は椎骨動脈にある。
- 3横隔膜や肋間筋は随意的に収縮できない。
- 4末梢の化学受容器は酸素分圧の上昇により興奮する。
- 5肺の伸展受容器の興奮は迷走神経を介して呼吸中枢に伝わる。
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✓ これが正解5肺の伸展受容器の興奮は迷走神経を介して呼吸中枢に伝わる。
解説
肺の伸展受容器の興奮は、迷走神経を通って呼吸中枢へ伝わります。
呼吸のリズムは延髄にある呼吸中枢で作られ、橋の働きとあわせて調整されています。呼吸中枢には、血液中の二酸化炭素や酸素の状態を感じ取る化学受容器や、肺のふくらみを感じ取る伸展受容器からの情報が届き、呼吸の深さと回数が調節されます。肺が十分にふくらむと、気管支などにある伸展受容器が興奮し、その情報が迷走神経を通って呼吸中枢に伝わり、吸気を止めて呼気に切り替えます。これをHering-Breuer反射と呼びます。
残りの記述は、呼吸中枢の場所、末梢の化学受容器の場所と反応の向き、呼吸筋を意思で動かせるかどうかのいずれかを取り違えています。
したがって、正しいのは肺の伸展受容器の興奮が迷走神経を介して呼吸中枢に伝わるという記述です。中枢は延髄、末梢の化学受容器は頸動脈小体と大動脈小体、肺のふくらみは迷走神経、と場所と経路を組みで覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1呼吸中枢は視床下部にある。:呼吸のリズムを作る呼吸中枢は、脳幹の延髄にあり、橋がそれを調整しています。視床下部は体温や内分泌などを調節する中枢で、呼吸中枢の場所ではありません。
- 2末梢の化学受容器は椎骨動脈にある。:末梢の化学受容器は、総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分かれる部分の頸動脈小体と、大動脈弓の大動脈小体にあります。椎骨動脈にはありません。
- 3横隔膜や肋間筋は随意的に収縮できない。:横隔膜や肋間筋は骨格筋なので、ふだんは自動的に働きますが、息を止めたり深呼吸したりするときには意思によって収縮させることもできます。
- 4末梢の化学受容器は酸素分圧の上昇により興奮する。:末梢の化学受容器は、動脈血の酸素分圧が下がったときに強く興奮し、呼吸を増やすよう働きます。酸素分圧の上昇で興奮するという記述は逆です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問64(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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