第60回 午前 問65
生理学
生理学に関する問題
心臓の刺激伝導系で正しいのはどれか。
- 1洞房結節は左心房にある。
- 2心筋細胞はK+の流入によって脱分極する。
- 3心電図のP波は心室の興奮に対応している。
- 4副交感神経が興奮すると心拍数は増加する。
- 5房室結節の興奮はHis束を経て心室に伝わる。
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✓ これが正解5房室結節の興奮はHis束を経て心室に伝わる。
解説
房室結節の興奮は、His束を経て心室へ伝わります。
心臓の刺激伝導系は、心臓が規則正しく拍動するための電気の通り道です。興奮は、右心房の上大静脈の入口付近にある洞房結節で生まれ、心房の筋に広がったあと、心房と心室の境にある房室結節に集まります。そこから心室中隔を下るHis束、左右の脚、Purkinje線維へと順に伝わり、心室全体が収縮します。房室結節では伝導がわずかに遅れ、心房が収縮して心室に血液を送り込む時間が確保されます。
残りの記述は、洞房結節の位置、脱分極を起こすイオン、心電図の波と部位の対応、自律神経と心拍数の関係のいずれかを取り違えています。
したがって、正しいのは房室結節の興奮がHis束を経て心室に伝わるという記述です。洞房結節→房室結節→His束→脚→Purkinje線維、と伝わる順を図にして覚えておくと、ほかの記述の誤りにも気付きやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1洞房結節は左心房にある。:洞房結節は、右心房の壁で上大静脈が流れ込む付近にあります。心臓のペースメーカーは右側にあるので、左心房とする記述は位置が違います。
- 2心筋細胞はK+の流入によって脱分極する。:心筋細胞が脱分極するのは、主にナトリウムイオンが細胞の中に流れ込むためです。カリウムイオンは細胞の外へ出ることで、主に再分極に関わります。
- 3心電図のP波は心室の興奮に対応している。:心電図のP波は心房の興奮を表す波です。心室の興奮を表すのはQRS波で、P波を心室の興奮とする記述は対応を取り違えています。
- 4副交感神経が興奮すると心拍数は増加する。:副交感神経が興奮すると、迷走神経の末端からアセチルコリンが放出され、洞房結節の働きが抑えられて心拍数は減ります。増えるのは交感神経が興奮したときです。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問65(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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