第60回 午後 問37
臨床医学
急性心筋梗塞に関する問題
急性心筋梗塞の胸痛の特徴で正しいのはどれか。
- 1数分以内に消失する。
- 2冷汗を伴うことが多い。
- 3感冒様の前駆症状がある。
- 4放散痛は生じないことが多い。
- 5硝酸薬の投与で速やかに消失する。
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✓ これが正解2冷汗を伴うことが多い。
解説
急性心筋梗塞の胸痛は、冷汗を伴うことが多い強い痛みです。
急性心筋梗塞は、心臓に血液を送る冠動脈が血栓などで詰まり、その先の心筋が壊死していく病気です。狭心症の胸痛との違いを、痛みの続く時間、伴う症状、薬への反応の3点で比べると判断しやすくなります。
心筋梗塞の胸痛は、胸を締め付けられる、押しつぶされるような強い痛みで、20分以上と長く続きます。強い痛みと心臓のポンプ機能の低下によって交感神経が強く働き、冷汗、顔面蒼白、吐き気、不安感などを伴うことが多いのが特徴です。痛みは左肩や左腕、顎などに広がる放散痛を伴うこともよくあります。
他の記述は狭心症の特徴や別の病気と混同しています。数分以内に消える胸痛や、硝酸薬(ニトログリセリン)ですぐに消える胸痛は狭心症の特徴で、心筋梗塞では硝酸薬が効きにくいことが特徴です。感冒様の前駆症状は、ウイルス感染に続いて起こる心筋炎などで知られる経過です。
したがって、正しい記述は冷汗を伴うことが多いという肢です。長く続く・冷汗を伴う・硝酸薬が効きにくい、の3点で狭心症と見分けると覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1数分以内に消失する。:数分以内に消えるのは狭心症の発作の胸痛の特徴です。心筋梗塞では冠動脈が詰まったままなので痛みが長く続き、20分以上おさまらないことが診断の手がかりになります。
- 3感冒様の前駆症状がある。:かぜのような症状に続いて胸痛や心不全が起こる経過は、ウイルス感染が引き金になる心筋炎で知られるものです。急性心筋梗塞の胸痛の特徴としてかぜのような前ぶれを挙げるのは誤りです。
- 4放散痛は生じないことが多い。:心筋梗塞の痛みは、左肩から左腕、首や顎、みぞおちなどに広がる放散痛を伴うことがよくあります。放散痛が生じないことが多いという記述は誤りです。
- 5硝酸薬の投与で速やかに消失する。:硝酸薬ですぐに痛みが消えるのは狭心症の特徴です。心筋梗塞では心筋がすでに壊死し始めているため、硝酸薬を使っても痛みがおさまりにくいのが特徴です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問37(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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