第60回 午後 問55
解剖学
平衡聴覚器で正しいのはどれか。
- 1蝸牛は内耳にある。
- 2内リンパと外リンパは交通している。
- 3耳管により内耳と咽頭は交通している。
- 4骨半規管は2つの半規管で構成される。
- 5鼓膜に付着している耳小骨はキヌタ骨である。
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✓ これが正解1蝸牛は内耳にある。
解説
聴覚を担う蝸牛は、内耳にあります。
耳は、外耳・中耳・内耳の3つに分けられます。外耳は耳介と外耳道、中耳は鼓膜の奥の鼓室と耳小骨、内耳は側頭骨の中にある骨迷路と膜迷路で、聴覚と平衡覚の受容器があります。どの構造がどこに属するかを整理するのが判断の軸です。
蝸牛は、かたつむりの殻のようにらせん状に巻いた管で、音の振動を神経の信号に変える受容器(コルチ器)があります。蝸牛は内耳に属するので、この記述が正しいものです。内耳には、ほかに体の傾きや回転を感じる前庭と半規管もあります。
他の記述は誤りです。内リンパと外リンパは膜迷路の内と外にあるリンパ液で、成分が異なり、互いに交通していません。耳管は中耳と咽頭を結ぶ管で、鼓膜の内外の気圧を調整します。骨半規管は前・後・外側の3つの半規管でできています。鼓膜に付着している耳小骨はツチ骨で、キヌタ骨はその奥にあります。
したがって、正しい記述は蝸牛が内耳にあるという肢です。耳小骨はツチ・キヌタ・アブミの順、半規管は3つ、耳管は中耳と咽頭、と数と順番を押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2内リンパと外リンパは交通している。:内リンパは膜迷路の内側を満たし、カリウムが多いリンパ液です。外リンパは膜迷路の外側にあり、成分が異なります。両者は膜で隔てられ、互いに混じり合うことはありません。
- 3耳管により内耳と咽頭は交通している。:耳管は鼓室(中耳)と咽頭を結ぶ管で、つばを飲み込むと開いて、鼓膜の内外の気圧を同じに保ちます。内耳と咽頭を結んでいるのではありません。
- 4骨半規管は2つの半規管で構成される。:骨半規管は、前半規管・後半規管・外側半規管の3つが互いにほぼ直角に並んでできています。3方向の回転を感じ取るためで、2つで構成されているのではありません。
- 5鼓膜に付着している耳小骨はキヌタ骨である。:鼓膜の内側に柄が付着しているのはツチ骨です。振動はツチ骨からキヌタ骨、アブミ骨へと順に伝わるので、キヌタ骨は鼓膜に直接付いていません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問55(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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