第60回 午後 問66
生理学
アルカローシスをきたすの
アルカローシスをきたすのはどれか。
- 1嘔 吐
- 2飢 餓
- 3下 痢
- 4重症の喘息
- 5CO2ナルコーシス
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✓ これが正解1嘔 吐
解説
嘔吐で胃酸を失うと、代謝性アルカローシスをきたします。
血液のpHは、酸を作る二酸化炭素(呼吸で調節)と、酸を中和する重炭酸イオン(腎臓で調節)のつり合いで保たれています。pHがアルカリ側に傾くのがアルカローシス、酸性側に傾くのがアシドーシスで、原因が呼吸か代謝かで4つに分けて考えます。
嘔吐では、胃液に含まれる塩酸(胃酸)が体の外へ失われます。酸が減ると体はアルカリ側に傾き、代謝性アルカローシスとなります。したがって、アルカローシスをきたすのは嘔吐です。
他の選択肢はアシドーシスの原因です。飢餓では脂肪が分解されてケトン体という酸がたまり、代謝性アシドーシスになります。下痢では、腸液に含まれる重炭酸イオンが失われるため、代謝性アシドーシスになります。重症の喘息では、息を十分に吐き出せずに二酸化炭素がたまり、呼吸性アシドーシスになります。CO2ナルコーシスは、二酸化炭素が体にたまって意識障害を起こした状態で、呼吸性アシドーシスを伴います。
したがって、アルカローシスをきたすのは嘔吐です。上から出すとアルカローシス(酸を失う)、下から出すとアシドーシス(アルカリを失う)、と覚えると取り違えません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2飢 餓:飢餓では糖が足りなくなり、脂肪を分解してエネルギーを作るため、ケトン体という酸が血液中にたまります。そのため代謝性アシドーシスとなり、アルカローシスにはなりません。
- 3下 痢:下痢では、膵液や腸液に多く含まれる重炭酸イオンが便とともに失われます。酸を中和する物質が減るので、代謝性アシドーシスとなります。
- 4重症の喘息:気道の狭窄が強い発作では換気が追いつかなくなり、血液中の炭酸ガス分圧が上がっていきます。pHは酸性の側へ傾くので、この選択肢はアルカリ側に傾く原因には当たりません。
- 5CO2ナルコーシス:慢性の呼吸不全の人に高い濃度の酸素を与えたときなどに、換気が落ちて炭酸ガスが蓄積し、意識が低下する状態です。炭酸ガスが増えればpHは下がるため、アルカリ側には傾きません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問66(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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