第60回 午後 問69
運動学
肩甲骨の筋と運動の組合せで正しいのはどれか。
- 1僧帽筋上部線維 外転
- 2僧帽筋下部線維 上方回旋
- 3菱形筋 下制
- 4前鋸筋 下方回旋
- 5小胸筋 挙上
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✓ これが正解2僧帽筋下部線維 上方回旋
解説
僧帽筋下部線維は、肩甲骨の上方回旋に働きます。
肩甲骨は胸郭の上を滑るように動き、挙上・下制、外転・内転、上方回旋・下方回旋の組み合わせで腕の動きを支えます。どの筋が肩甲骨のどこに付き、どちらへ引くかを考えると作用が分かります。
僧帽筋下部線維は、下位の胸椎の棘突起から起こり、斜め上外側へ走って肩甲棘の内側の端に付きます。この線維が縮むと肩甲骨の内側を下へ引くので、肩甲骨の関節窩が上を向く上方回旋が起こります。腕を高く挙げるときには、僧帽筋上部線維・下部線維と前鋸筋が力を合わせて上方回旋を起こします。したがって、この組が正しいものです。
残りの組は、作用の向きが入れ替わっています。僧帽筋上部線維は挙上と上方回旋、菱形筋は内転・挙上・下方回旋、前鋸筋は外転と上方回旋、小胸筋は下制と下方回旋が主な作用です。
上方回旋は僧帽筋(上部・下部)と前鋸筋、下方回旋は菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋、と回旋の向きで筋を2つのグループに分けて覚えると、組合せの問題を見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1僧帽筋上部線維 外転:僧帽筋上部線維は後頭部や頸部から鎖骨の外側に付き、縮むと肩をすくめるように肩甲骨を引き上げ、上方回旋も助けます。肩甲骨を背骨から離す外転の主な筋は前鋸筋です。
- 3菱形筋 下制:菱形筋は胸椎の上部から肩甲骨の内側縁に付き、肩甲骨を背骨の方へ引き寄せて少し持ち上げ、下方回旋させます。肩甲骨を引き下げる下制の筋ではありません。
- 4前鋸筋 下方回旋:前鋸筋は肋骨の側面から肩甲骨の内側縁の前面に付き、肩甲骨を前へ引き出して、下角を外へ回す上方回旋に働きます。下方回旋とは逆向きの作用です。
- 5小胸筋 挙上:小胸筋は肋骨の前面から烏口突起に付き、肩甲骨を前下方へ引いて下制と下方回旋を起こします。肩甲骨を持ち上げる挙上の筋ではありません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問69(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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