第60回 午後 問70
運動学
膝関節で正しいの
膝関節で正しいのはどれか。
- 1関節面は内側顆より外側顆が広い。
- 2前十字靱帯は屈曲運動の制限となる。
- 3屈曲位から伸展すると下腿は内旋する。
- 4大腿骨と脛骨の長軸は一直線上にある。
- 5屈曲の最終可動域に近づくにつれ滑り運動となる。
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✓ これが正解5屈曲の最終可動域に近づくにつれ滑り運動となる。
解説
膝の屈曲は、最終可動域に近づくにつれて滑り運動が中心になります。
膝関節の運動は、大腿骨の丸い関節面が脛骨の平らな関節面の上で、転がり運動と滑り運動を組み合わせて行われます。転がるだけだと大腿骨が脛骨から後ろへ落ちてしまうため、屈曲が進むにつれて滑りの割合が増えていきます。
屈曲の始めは主に転がり運動ですが、屈曲が深くなるにつれ、大腿骨の関節面がその場で回るように前方へ滑る動きが中心になります。最終域に近い深い屈曲では、ほとんど滑り運動となります。したがって、この記述が正しいものです。
ほかの記述は膝の構造と合いません。関節面は内側顆の方が大きく、前十字靱帯は脛骨の前方へのずれと過伸展を止めます。伸展の最後には下腿が外旋して膝が締まります(終末強制回旋運動)。大腿骨と脛骨は一直線ではなく、外側におよそ175度前後の角度(大腿脛骨角)をなします。
転がりから滑りへ、伸展の最後に外旋、という2つの動きの特徴を組で覚えておくと、膝の運動学の問題を見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1関節面は内側顆より外側顆が広い。:大腿骨の内側顆は外側顆より前後に長く、関節面も大きくなっています。この大きさの差が、伸展の最後に下腿が回旋する仕組みの一因です。外側顆の方が広いという記述は逆です。
- 2前十字靱帯は屈曲運動の制限となる。:前十字靱帯は脛骨が大腿骨に対して前方へずれるのを止め、膝の過伸展も制限します。屈曲を止める役割ではなく、屈曲を制限するのは主に大腿と下腿の軟部組織の接触です。
- 3屈曲位から伸展すると下腿は内旋する。:屈曲位から伸展すると、最後の数十度で下腿が外旋し、膝がしっかり締まります。これを終末強制回旋運動(スクリューホームムーブメント)と呼び、内旋するのは逆の向きです。
- 4大腿骨と脛骨の長軸は一直線上にある。:大腿骨の長軸は骨盤から膝へ斜めに内側へ向かうため、脛骨の長軸とは外側でおよそ175度前後の角度をつくります。一直線上に並んでいるわけではありません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問70(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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