第60回 午後 問72
運動学
努力性呼気に関する問題
努力性呼気時に働く筋で誤っているのはどれか。
- 1腹直筋
- 2肋下筋
- 3外肋間筋
- 4内腹斜筋
- 5内肋間筋後部
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✓ これが正解3外肋間筋
解説
外肋間筋は吸気筋で、努力性呼気には働きません。
安静時の呼気は、吸気でふくらんだ肺と胸郭が元に戻る力で受動的に行われ、筋はほとんど働きません。速く強く吐き出す努力性呼気では、胸郭を引き下げる筋や腹圧を高める筋が働きます。吸気筋か呼気筋かを、肋骨を引き上げるか引き下げるかで判断するのが基本です。
外肋間筋は、肋骨の間を後ろ上から前下へ斜めに走り、縮むと肋骨を引き上げて胸郭を広げます。これは吸気の働きなので、努力性呼気に働く筋ではありません。したがって、誤っているのは外肋間筋です。
他の筋は努力性呼気に働きます。腹直筋と内腹斜筋は腹圧を高めて横隔膜を押し上げ、肋骨を引き下げます。内肋間筋の後部(骨間部)と肋下筋は肋骨を引き下げて胸郭を狭めます。
肋骨を引き上げる外肋間筋は吸気、引き下げる内肋間筋(骨間部)・肋下筋・腹筋群は呼気、と動きの向きで覚えておくと、呼吸筋の問題で迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1腹直筋:腹直筋は胸郭の下部から恥骨へ縦に走る筋で、縮むと肋骨を引き下げ、腹圧を高めて横隔膜を押し上げます。強く息を吐き出すときや咳をするときに働く呼気の筋です。
- 2肋下筋:肋下筋は胸郭の後ろ側の下部で、いくつかの肋骨をまたいで走る筋です。内肋間筋と同じ向きに走り、肋骨を引き下げて胸郭を狭めるので、呼気の補助に働きます。
- 4内腹斜筋:内腹斜筋は腹部の側面で外腹斜筋の内側にある筋で、腹圧を高めて肋骨を引き下げます。腹直筋などとともに、努力して息を吐き出すときに働く筋です。
- 5内肋間筋後部:肋骨と肋骨の間の深い層にあり、後ろの部分の線維は外側の層と交差する向きに走ります。この線維は縮むと上の肋骨を下へ引くので、胸の容積を小さくして空気を押し出す側に働きます。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問72(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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