第60回 午後 問80
臨床医学
数字の順唱によって評価できる記憶で最も適切なのはどれか。
- 1遠隔記憶
- 2近時記憶
- 3作動記憶〈ワーキングメモリー〉
- 4即時記憶
- 5手続き記憶
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✓ これが正解4即時記憶
解説
数字の順唱は、即時記憶を評価する検査です。
記憶は、覚えてから思い出すまでの時間の長さで、即時記憶、近時記憶、遠隔記憶に分けられます。また、覚えた情報を頭の中で操作する作動記憶(ワーキングメモリー)や、体で覚える手続き記憶もあります。どの検査がどの記憶をみるかを対応させて覚えるのが判断の軸です。
数字の順唱は、検査者が読み上げた数字の並びを、聞いた直後にそのままの順番で言ってもらう検査です。情報を数秒から数十秒程度、そのまま保てるかをみるもので、即時記憶の評価に用いられます。注意を向けて聞き取る力も反映します。したがって、最も適切なのは即時記憶です。
一方、数字を逆の順番で言う逆唱は、聞いた数字を頭の中で並べ替える操作が必要になるため、作動記憶の評価に用いられます。近時記憶は数分から数日前、遠隔記憶はもっと前の出来事の記憶で、手続き記憶は技能の記憶です。
したがって、数字の順唱で評価できるのは即時記憶です。そのまま繰り返すのは即時記憶、並べ替えるのは作動記憶、と順唱と逆唱を組で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1遠隔記憶:遠隔記憶は、数か月から何年も前の出来事や、昔からの知識の記憶です。生い立ちや昔の出来事を尋ねて評価するもので、聞いた直後に繰り返す数字の順唱では評価できません。
- 2近時記憶:近時記憶は、数分から数日前の出来事の記憶です。いくつかの言葉を覚えてもらい、別の課題をはさんでから思い出してもらう遅延再生などで評価します。
- 3作動記憶〈ワーキングメモリー〉:作動記憶は、情報を一時的に保ちながら頭の中で操作する働きです。数字を逆の順番で言う逆唱のように、並べ替えなどの操作を求める検査で評価するのが適しています。
- 5手続き記憶:手続き記憶は、自転車の乗り方や楽器の演奏のように、繰り返しで身につけた技能の記憶です。言葉で説明しにくい記憶で、数字をそのまま繰り返す検査では評価できません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問80(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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